五井野正 博士ファン倶楽部  浮世絵と印象派を通して学ぶ自然世界

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五井野正博士『ジャポニスムとは、日本主義である。』              ラ・ジャポネーズ (印象派の本質とは?)

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◆  この絵画は、モネ『ラ・ジャポネーズ』の絵です。絵の中央の女性は、日本の赤い長襦袢の着物を着て、手には扇子を持っています。この女性はカミーラという名前で、モネの最初の奥さんがモデルとなっているようです。

◆ しかし、以前の博士の芸術論の中では、この赤い着物を着る女性は、赤い着物を着せることを通して、この女性に娼婦の意味を顕しているそうです。何故なら日本で赤い長襦袢の着物を着ると言うことは、娼婦を意味しているからです。それではどうしてモネはそのようなことをしたのでしょうか。

◆ 西洋のキリスト教倫理社会の中では、娼婦とは救われない原罪のある人であり、またそのような娼婦と呼ばれる人々が絵画のテーマとなることはなかったのです。ところが日本から入ってきた浮世絵の世界を見たときに、その浮世絵の世界には何か描かれていたのか。それは花魁と呼ぶ娼婦の姿が美しく描かれていたわけです。

◆ これまで西洋のキリスト教倫理社会の中では、現実の私たちが生活をしている空間に住む生きた娼婦の姿をテーマに絵画を描くと言う習慣や技法そして宗教思想は、西洋キリスト教倫理社会の中では一切無かったことであるのです。

 ( 本当は、カトリック教会がナザレのイエスの教えを守っていたのなら、当時のイエスがユダヤ社会の中で教えを説いていた対象者であった貧しい人々や娼婦の人々を日本の浮世絵のように、絵画のテーマとして描くのがもともとのイエスの教えの心のように思えるのです。)

◆ ところが日本の浮世絵の世界には、娼婦の世界が美しく描かれていて、同じ娼婦であっても、日本とキリスト教倫理社会の中では、その娼婦に対する意味付けが大きく異なっていたのです。日本の娼婦とは単なる娼婦ではなく、歌や書道も嗜む文化人であったということです。娼婦であると同時に芸能人であったということです。

◆ そのようなことで、このような現実の娼婦を絵のテーマとして描くということは、当時のキリスト教倫理の世界やその倫理に基づいて描かれる公的なアカデミックな絵画の世界では考えられない出来事であったのです。

◆ たとえば、このようなモネの『ラ・ジャポネーズ』の前に、マネが『オランピア』と言う街角の娼婦を描きました。こちらの娼婦の絵も現実の街角の娼婦を描いたために、社会的批判をマネは受けました。そして文学者のゾラがそれを擁護しました。しかし、モネもマネも日本の浮世絵のコレクターであり、その浮世絵の絵の世界の中に顕されている日本の宗教や思想の影響を受けていたのです。

◆ 当時のフランスは、ビクトル・ユゴー『レ・ミゼラブル』の小説の世界の中にもあるように、娼婦は人権もなく、ゴミくずのような扱いを受けていました。そして社会的に悲惨な状態に追い込まれていました。そのような状況の中で、日本から来た浮世絵の中に描かれている娼婦の世界とは、まったく別の世界であったのです。

◆ ですから、その浮世絵の世界の中に顕されている価値観を当時のフランスの娼婦の世界に当てはめて娼婦の絵画を描くことによって、当時のキリスト教倫理社会に支配された世界の変革を印象派の画家達は、美の術を通して社会を変革しょうとしていたのです。

◆ つまり印象派の絵画とは、美術鑑賞のための絵画ではなく、当時のキリスト教倫理社会を変革するための絵画であるということなのです。それは、日本の浮世絵の世界の中に、人間の生命に対する一つの見方が顕されていたからなのでしよう。そして印象派とは、絵画によって社会・道徳を変革しょうとした人々なのです。

◆ それ故に、博士の芸術論の中では、このような印象派の絵画をもっとも評価して印象派の絵を買っていった人々とは、実は当時のユダヤ資本の人々であったという話がありました。そしてユダヤ資本の人々は、印象派を通して日本の浮世絵の持つ力を始めに評価して、社会を変化してコントロールするためには、絵と文字による今日のメデイアの重要性に気付いた人々とされているようなのです。

◆ 私たちは、印象派と言うと美術鑑賞として捉えますが実際の印象派とは、美術鑑賞の枠を越えて、それは当時のキリスト教倫理の世界を変化させてゆく社会運動の性質を持っていたということになり、このような視点は、博士の講演会以外では聴いたこともなく、今更ながら、ただただ驚くばかりでした。


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水と木の精霊の守り人

Author:水と木の精霊の守り人
 浮世絵の中に描かれている宗教・歴史・信仰・民俗学・古典などに深い関心があり、『精霊の守り人』のファンです。また、浮世絵の影響を受けたフランス印象派やジャポニスムに関心を持っています。
( Impressionnistesとは、正しい翻訳では、印象派と訳すのではなく、フランスの浮世絵師と訳すのが正しい翻訳であるそうです )
特に浮世絵の研究者でもあり、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士のファンの一人です。博士の講演の中で、ジャポニスムとは、日本趣味ではなく正しくは、~イズム(ism)とはその人の生き方・精神を顕わして日本趣味ではなく、日本主義と訳すのが正しい翻訳であるそうです。また内部被曝問題に関心があります。日本GAP・アダムスキーやオムネク・オネクに関心を持っています。

◆ このファンサイトの主旨
 
 このファンサイトは、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士の個人的・非公式非公認ファンサイトです。これまで博士の芸術論講座や講演会に筆者が参加して、個人的に主観的に思ったこと考えたことが書かれています。ですから客観的な公式・公認の情報ではありません。

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