五井野正 博士ファン倶楽部  浮世絵と印象派を通して学ぶ自然世界

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美術館・展示のご紹介                                                   ボストン美術館蔵『俺たちの国芳・わたしの国貞』展                  渋谷Bunkamuraxザ・ミュージアム




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◆ 今何故か、密かに浮世絵がブームとなっているようで、(譬えば、浮世絵春画の展示会に多くの女性が来場されていた等・・・・)そんなことで、先日の土曜日に、何年かぶりに渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムを訪れて『俺たちの国芳・私の国貞』展を見てきました。浮世絵は、合わせて170点もの浮世絵が展示されていて、かなり時間をかけてみると一時間以上はかかるのかなと思いましたが、多くの老若男女の人々で会場が大変に混雑をしていました。

◆ 今回の浮世絵は、一枚一枚の浮世絵の色彩がかなり鮮烈な色彩を放って状態がよく、特に国芳の水滸伝や武者絵など物語絵が数多く展示されていたこともあり、個人的にはとても好きなジャンルであったので、本当に見ごたえがあった浮世絵のような気がしました。ただ里見八犬伝の浮世絵が少なかったのでとても残念に思いました。やはり江戸の読本の中に描かれている物怪や異世界の物語絵、歌舞伎に出てくるような転生輪廻の因縁譚の話など浮世絵の世界に残されていて大変興味深いのです。

◆ それから、この『俺たちの国芳・私の国貞』のキャツチフレーズは、とても若い世代に受けると同時に、国芳・国貞の浮世絵に対する粋な表現感覚かなと思いました。この感覚はいいね~と思います。展示会の国芳・国貞に共感すると言う主旨が伝わってきます。それも極めて仲間的なゲマインシャフト或いは個人的なプライベートな形で、俺たちは国芳、私は国貞のファン。こんな形でアングラ的に若い世代に浮世絵ファンの広がりが起きてくればよいなと思いました。

ボストン美術館蔵『俺たちの国芳・私の国貞』展・日テレ
http://www.ntv.co.jp/kunikuni/

ボストン美術館蔵『俺たちの国芳・私の国貞』展・渋谷Bunkamuraザ・ミュージック
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/16_kuniyoshi/index.html


下記は、俺の国芳・浮世絵探訪の一枚です

12 『 相馬の古内裏に、将門の姫君瀧夜叉妖術を以て味方を集むる。大宅太郎光国妖怪を試さんとここに来り。竟に是を滅ぼす。』 国芳画(1844年 弘化元年)

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( 善知鳥安方忠義伝・相馬の内裏・瀧夜叉姫)

◆ 上記は、とても有名な国芳の大きな骸骨の妖怪の絵ですが、左側に巻物を持っている女性は、平将門の娘で『瀧夜叉姫』です。そして実は、この巨大な骸骨は、瀧夜叉姫の持つ妖術によって現出された妖怪なのです。ですからこの巨大な骸骨の妖怪は、瀧夜叉姫がコントロールしているのです。

◆ この絵の元にある物語は江戸時代の読本の作者である山東京伝によって著された『善知鳥安方忠義伝・うとうやすかたちゅうぎてん』という江戸の物語読本のワンシーンを描いたものなのです。善知鳥安方忠義伝については、以前江戸の読本ということで、この国芳の浮世絵に関心があって読んだことがあって、今回この浮世絵も展示されていたので驚きました。因みに読本の題名である【善知鳥】には次のような意味があるようです。

【善】徳の究極、すなわち神の意志に叶うこと
【知】神を祀ることによって、神より与えられるもの
【鳥】予知能力をもち、天空の神々と地上の世界を結ぶ神の使わしめ

古代人は、ウトウ鳥が天空の神々より与えられた神意を地上の世界に使わし、 人々を善へ導く聖なるものと考え神使の象徴として善知鳥の字を充てた。

◆ 図録の説明では、瀧夜叉姫が父である将門の恨みを晴らすために、妖怪を集めて謀反を起こそうとしているような説明ですが、読本では、瀧夜叉姫は、将門が亡くなられてから、福島の猪苗代湖近郊にあるお寺(恵日寺)に入って如蔵尼と言う尼僧として経典を読み地蔵菩薩を信仰し、弟である平良門に仇討をするなと諭して仏門に導こうとしていたのです。

( 下記のHPによる伝説では臨死体験をしていて、父の将門が亡くなられた時に、父の罪を背負って地獄に落ちてしまうのですが、地蔵菩薩に助けられて現世に戻されたという伝説が残されています。もちろん山東京伝の読本ものと会津での伝承は内容がまったく異なります。 )

耶摩郡磐梯町・恵日寺
http://www.aizue.net/sityouson/bandaimati.html

今昔物語 巻十七 陸奥国女人依地蔵菩薩助得活語 第二十九
http://donkon.fool.jp/Buddhism/Konjaku17_26_32.html
(今昔物語の本朝仏法部には、このような話が多数収められています。高校の古典の時間で習う今昔物語は、本朝世俗部のもので、仏教色をできるだけ削除して古典の教科書に掲載するのでつまらないと思います。)

◆ ところが弟の良門は姉の瀧夜叉姫の忠告を聞かず、中国から渡って、筑波山に住むヒキガエルの妖怪・肉芝仙というカエルの妖怪から妖術を学び、その手下となってしまったのです。そしてその妖術によって姉の瀧夜叉姫をマインドコントロールして、仏教信仰を破棄させて、父将門の仇討を行う方向に意識を向けさせて、都に対して謀反を起こさせてゆくのです。そしてそれは肉芝仙の日本支配の始まりを意味していました。(私の記憶では、平将門の忠臣であった善知鳥安方夫妻を良門は、殺してしまったものと思われます。)

◆ そのようなことで、この浮世絵の中の瀧夜叉姫は、妖術によって巨大な骸骨の妖怪をコントロールしているのですが、実はその瀧夜叉姫の背後には、ヒキガエルの妖怪である肉芝仙という妖怪に憑依されていて、意識をマインドコントールされていて、それ故に妖術を使うことができるのです。

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( 上記は、【蝦蟇蛙・ヒキガエル・肉芝仙・ガマ仙人】といっしょに描かれている瀧夜叉姫。善知鳥安方忠義伝の原本の挿絵であると思われます。何故かガマ仙人の顔が、日本の巨大宗教団体のトップに似ていると思われてなりませんでした。図絵はウィキペディアより )

◆ 瀧夜叉姫は、最後は多くの味方や側近を滅ぼされてしまい、敵に捕まって辱めを受けるよりも自害の道を選び切腹をするのですが、その最後の死の瞬間に、ガマ仙人である肉芝仙の憑依によるマインドコントロールが解けて正気に戻り、何故自分が自害したのかもわからない意識状態にあるのですが、最後は改心することになっているのです。

◆ そのようなことで物語としては、江戸時代の妖術世界と言う超常現象の物語の世界ですが、私がこの浮世絵や物語に関心を持ったのは、実は瀧夜叉姫がマインドコントロールされて動かされていたという処でした。それは妖術の源であるガマ仙人である肉芝仙の顔が、ある日本の巨大宗教団体のトップの顔に似ていたから、これは今の時代でもマインドコントロールの鮮烈な風刺画になるかもしれないということからかもしれません。あくまでも個人的な妄想的などんでもない感想にすぎませんが・・・・・そんなことでこの国芳の絵にはとても関心を持つようになったのです。

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水と木の精霊の守り人

Author:水と木の精霊の守り人
 浮世絵の中に描かれている宗教・歴史・信仰・民俗学・古典などに深い関心があり、『精霊の守り人』のファンです。また、浮世絵の影響を受けたフランス印象派やジャポニスムに関心を持っています。
( Impressionnistesとは、正しい翻訳では、印象派と訳すのではなく、フランスの浮世絵師と訳すのが正しい翻訳であるそうです )
特に浮世絵の研究者でもあり、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士のファンの一人です。博士の講演の中で、ジャポニスムとは、日本趣味ではなく正しくは、~イズム(ism)とはその人の生き方・精神を顕わして日本趣味ではなく、日本主義と訳すのが正しい翻訳であるそうです。また内部被曝問題に関心があります。日本GAP・アダムスキーやオムネク・オネクに関心を持っています。

◆ このファンサイトの主旨
 
 このファンサイトは、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士の個人的・非公式非公認ファンサイトです。これまで博士の芸術論講座や講演会に筆者が参加して、個人的に主観的に思ったこと考えたことが書かれています。ですから客観的な公式・公認の情報ではありません。

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