五井野正 博士ファン倶楽部  浮世絵と印象派を通して学ぶ自然世界

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ペトラ・ケリー(緑の党・創立者の一人) ②                                 『原子力発電所と核兵器ーシャム双生児』より

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(上記は、緑の党のロゴマークの顕すグリーンとひまわり、でも何でひまわりなのでしょうか・・・)

 『原子力発電所と核兵器ーシャム双生児』より

『 キリスト教民主同盟の前国会議員ヘルベルト・グールルが、1976年1月22日に国会で政府に行った質疑、つまり、数多くの原子炉の設置が、私たちの軍事戦略と折りあえるものかどうかのチェツクはいつなされるのかという質疑を、あなたはご存じですか。

 核による紛争でなくとも、従来の兵器を使用しただけでもう、いや、公の軍事的対立さえなくても、西ドイツは、完全な軍事的的経済的麻痺に陥ってどうしようもなくなる可能性があるということを、責任ある政治家と軍人は、明らかに完全に見過ごしているようです。

 つまり、この国に建設され、さらに広範囲に建てられようとしている原子力施設の不安定さによってです。すなわち、いわゆる原子力平和利用が拡大されることで、相手の核兵器を使用されなくとも、戦争になれば、西ドイツが放射能で汚染されることが保証されるというわけです。

 しかし、基本法では、国民に対し、各人は生命と身体上の不可侵性への権利を有すると確約されているのです。平和時と戦時における、あらゆる放射線障害から胎児を守ることは、非常に緊急な要請ではないでしょうか。戦争が起きたとき、住民をいわゆる原子力平和利用の結果から守るために、西ドイツ政府はどんな予防策を講じてきたのかを直ちに明かにするようにとの、緑の党の政府に対する要求は、こういうところから出ているのです。

 世界的規模での原子炉の輸出は、特別な問題点を含んでいます。原子炉で生じるプルトニウムは、技術をあまり使わず、軍事目的に使えます。この軍事利用に対する有効な管理はなされていません。原子炉は原子爆弾を製造するためのありがたい非軍事的口実になりうるのです。原子力に賭けている強固なエネルギー技術上の道は、軍事上の潜在的破壊力を高め、それによって世界平和も脅かしているのです。

 名望ある英国の核物理学者ブライアン・フラワーズ卿は名言しています。「テロリストが核の舞台に登場するかどうかは、もはや問題ではなく、いつ、どのようにという問題に過ぎなくなっている。プルトニウムは、あらゆる手段を用いて、その意志を貫こうと決意している人たちにとって、比類なき強大な武器として好適である。」(『フランクフルター・ルントシャワ』紙、1976年11月10日)。

 社民党のような政党が、プルトニウムと非常に蓄積したウランを世界に流通させて、それによって核テロリズムを助長する政治に加担するというようなことが、一体どうして可能になるのでしょうか。』

◆ 上記は、前回に引き続いて、八十年代初頭当時、緑の党の中心的指導者であったペトラ・ケリーの『希望のために戦う』からの引用で、前述の文章と同様に、ペトラ・ケリーが当時の社会民主党の指導者であったヴイリー・ブラントに提出した質疑内容の一つです。     

◆ 八十年代初頭と言えば、1986年のチェルノブイリ原発事故以前の世界であり、1990年の東西ドイツの統合、1991年のソ連邦崩壊以前の世界ですから、それはつまり、この世界が資本主義と共産主義によるイデオロギーの対立によって米ソが核兵器による軍事力によって敵対していた時期です。


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◆ そしてその最前線が西ドイツと東ドイツの対立の世界であり、或る意味では、米ソによる代理戦争が東西ドイツを中心に、ECを中心とするNATO軍とソビエトを中心とするワルシャワ条約機構軍の軍事対立の世界の中で、そのようなイデオロギーによる対立と軍事力の対立の世界の中に、軍縮、軍備の撤廃、脱原発という政策を掲げ、緑の党が生まれてきているわけです。そしてその流れが消失することなく現在まで続いているということです。唯、上記の文章を読むと緑の党の脱原発の思想が、通常兵器による、或いは、テロによる原発の破壊による放射能汚染の可能性を指摘しており、極めて現実的な裏付けに基づいて判断されていることがわかります。

◆ ですから、今その頃に書かれていた核兵器や原発問題についてペトラ・ケリーが警告・指摘したきた事を改めて読み直してみると、反対に福島原発事故以後の私たちの日本の国や政府が原発問題に対して評価して決定していることが、いったいどのようなことであるのか、反対にその悪なる姿がよく見えてしまうのです。80年代初頭から現在まで、この日本ではいったいどのようなことが進んでいたのだろうか・・・或いは、この日本では広島と長崎に原爆が投下されてから、日本の政治家は何をしてきたのだろうか・・・と。

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◆ 上記『原子力発電所と核兵器はシャム双生児』の文章の中でペトラ・ケリーが指摘していることは、原子力発電所は、有事の時に通常兵器によって破壊されてしまうのであれば、相手側の核攻撃を受けなくとも、西ドイツ全体が放射能に汚染されてしまい、それが小さな子供から、これからの世代を含めて大きな影響を受けてしまうことであり、その意味では、原発も核兵器も、戦争になれば同じ放射能被曝という結果をもたらすということ。

◆ そしてこのような推測される状況に対して、西ドイツの政治家や軍人は、通常兵器で原発が破壊された時のことを想定して対処方法について考えているのかと質問をしているのであり、また原発を海外の国々に輸出することは核の拡散を意味しており、原発よりプルトニウムを抽出して、核兵器を作る潜在的破壊力を高めるものであり、さらにはテロによって、その核が使われることを示唆しているわけです。

◆ このような原子力発電所が核攻撃を受けなくとも通常兵器やテロによって破壊された場合には、その国が広範囲に渡って放射能汚染されてしまい、その影響が後々の世代まで継続されてゆくということで、原子力発電所を持つことの軍事的リスクに対してどのように政治家や軍人は考えているのかということを質疑しているわけです。

◆ そしてこれと同様のことを今日、池田整治先生が東西冷戦のもう一つの分断国家の問題である朝鮮半島の北朝鮮の問題を通して指摘されていて、日本国内の原発の持つ危険性について述べられていると思うのです。日本では、国内の原発が何らかの攻撃を受けて破壊されて放射能汚染がいたるところで起きた場合に、日本の政治家や自衛隊はそれに対してどのような対処方法があるのかということを質疑されているようなものなのです。以下は池田整治『原発と陰謀』㌻25より引用。


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 北朝鮮特殊軍が狙う54基の原子炉より

『1994年、アメリカや韓国、日本をはじめに各国政府は、北朝鮮が核兵器を秘密裏に製造しているのではないかという懸念を示し始めたことがあります。

 このとき、アメリカは北朝鮮爆撃まで検討しています。また韓国では、ソウルで市民の大規模避難を行うなど、朝鮮戦争の危機が高まりました。

 アメリカのジミー・カーター元大統領が訪朝して金日成国家主席と交渉にあたりますが、その翌日、金日成が死去。後を継いだ金正日は、「黒鉛減速炉だ」という説明を一方的にするだけで惚けていました。

 もし、北朝鮮が日本に攻撃するとなったら、まず考えることは、 宣戦布告の前に日本国内にいる北朝鮮の工作員・スパイを総動員して日本の弱点を攻めてくるにちがいない、ということでした。その時の防衛と警備、保安をどうするか。これが焦眉の課題です。

 この第一次北朝鮮危機対策において、自衛隊と警察との合同勉強会が開かれました。もちろん、私も参加しましたが、いちばん懸案の問題と思っていたテーマは、実は、いかに北朝鮮の工作員たちから原発を守るかーということだったのです。そのために敦賀(福井県)や玄海の原子力発電所まで現地視察に派遣されました。

 そのとき、原子力発電所の安全神話が真っ赤なウソに気づきました。呆れたのは、日本政府にも電力会社にも、デモ程度のトラブル対処方法は用意されていても、外敵による攻撃やテロに対しては無防備であったばかりか、そもそも、はなから想像もしていなかったことです。危機意識のかけらすらないのです。』

◆ さて上記の指摘された日本の原子力発電所に対する北朝鮮によるテロに対する日本政府の危機意識のレベルを見ると、どう考えても二つの原爆を受けた被曝国の国の政治家の姿には見えないと思います。また日本の原発の大きな問題が朝鮮半島の有事に深くリンクすることを考えると、日本の政治家が原発問題のリスクについて何も考えてなかったことを考えると反対に恐ろしく感じます。


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◆ ペトラ・ケリーが原水禁の招きで来日した時に、日本の政治家は、目先の経済成長だけに眼を向けて、原発問題の本質に対しての危機意識がなさすぎると深く批判していましたが、海外の意識の高い人々が日本の政治家と話をしたら、その性根と正体がすぐ見抜かれてしまうのでしょう。これが二つの原爆を受けた国の政治家の姿なのかと・・・そしてその姿は、現在の福島原発事故があった後も変化していないのだから。

◆ しかし、ペトラ・ケリーがこのことを指摘したのは80年代初頭の緑の党によってであり、この質疑は現在の日本の有事の状況にも当然当てはまるものであり、戦後、日本という国では、そのようなことはリスクを一切想定しないというスタンスで日本国内に上記原発マップのような多数の原子力発電所を日本全土に放射能が行き渡るように原発が配置して作られてしまったわけです。しかし、この日本においてもペトラ・ケリーが指摘したように、原発と核兵器はシャム双生児であるということです。

◆ 本来であれば二つの原爆の大きな被害を受けた国が、自らの国の受けた経験から放射能汚染の被害について、戦後学ぶのであれば、原子力発電所という軍事的リスクの大きな施設は作らないということになるでしょうし、日本の軍事力を司る自衛隊は、原発については大きなリスクを国内に抱え込むことになるために反対の立場をとるということになるのだろうと思います。

◆ ところが現状では、まるで日本という国は、日本国内を全て放射能で被曝させるために、日本政府が中心となって日本を破壊するための歴史を戦後、社会体制として作ってきたということのようにどうしても見えてしまいます。そしてそれが戦後の日本という世界の結論であるとしたら・・・・そのようなことを私たち一人一人の日本人は意識したり思考したり議論したりすることがあるのでしょうか。

◆ なにげなく、80年代初頭の緑の党に関心を持っていた頃のペトラ・ケリーの文章を断片的にでも読み直してみると反対に福島原発事故以後の私たち日本人の意識は、あの頃の東西ドイツの冷戦があった時代の危機意識があった緑の党の人々の意識レベルまでには達していないことをつくづく感じるのです。ヨーロッパの世界では東西ドイツは統合されてましたが、極東の世界では朝鮮半島の分断分裂国家の問題が存続しているのです。そしてこの分断・分裂国家の問題と日本国内の原発問題が深くリンクしてしまうことに気付いている人々は少ないと思われてなりません。

◆ また、日本赤十字社などの災害や戦時に活動する医療機関は、もし有事の際に、上記のような原発テロに対するリスクを想定するのであれば、内部被曝問題に対してどのような対応をしてゆくのか、日本政府や国の行政機関が内部被曝問題を社会的に風化させて無視するにしても、独自の見解に基づいて内部被曝問題に対しての疫学調査と治療研究が必要ではないのでしょうか。

◆ また本来であれば、厚生労働省が内部被曝問題については、日本人の未来のために積極的に調査・研究すべきであり全国の医療機関に対して福島原発事故後の疾病別の医療統計を公表して、その動向の変化について公表すべきであると思われてなりません。個人情報はレセプトを通して全ての医療機関の患者情報はデータ管理されているわけですから、放射能被曝分布図と地域ごとの疾病の変化の動向が全国規模ですぐわかると思うのです。

◆ 日本政府や行政機関が、内部被曝問題を社会的に風化させて完全無視する姿勢とは、裏を返せば、最悪の有事の時には、何も対処できない政府と行政機関そのまま顕わしていると思えてくるのです。本来、国や国家そして国民の生命を守るためには、内部被曝問題を研究することは、日本民族の存続のために絶対に必要なことであり、この問題を軽んじて、社会的風化を進めてゆく国の行政機関は、大きな視点で見ると反対に国の行政機関が日本民族を消滅させるために動いているように見えてくるのです。

◆ 何故ならベラルーシでの人口の変動を見てもわかるように、今後日本でも、少子高齢化社会において、この少子の部分が今後、壊滅的打撃を受けてゆくことが予測されるからです。これから若い世代や子供たちが減少してゆく。ただでさえ減少しているのに、これが壊滅的な方向に進む可能性があるのですから、内部被曝問題については、社会的に風化させてゆくのではなく、私たちは問題意識を継続して持ってゆくことが必要であると思います。



ベラルーシの小児科医の現地報告。奇形、心臓病、白内障などが新生児から発症の異常事­態。*日本語同時通訳版*
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水と木の精霊の守り人

Author:水と木の精霊の守り人
 浮世絵の中に描かれている宗教・歴史・信仰・民俗学・古典などに深い関心があり、『精霊の守り人』のファンです。また、浮世絵の影響を受けたフランス印象派やジャポニスムに関心を持っています。
( Impressionnistesとは、正しい翻訳では、印象派と訳すのではなく、フランスの浮世絵師と訳すのが正しい翻訳であるそうです )
特に浮世絵の研究者でもあり、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士のファンの一人です。博士の講演の中で、ジャポニスムとは、日本趣味ではなく正しくは、~イズム(ism)とはその人の生き方・精神を顕わして日本趣味ではなく、日本主義と訳すのが正しい翻訳であるそうです。また内部被曝問題に関心があります。日本GAP・アダムスキーやオムネク・オネクに関心を持っています。

◆ このファンサイトの主旨
 
 このファンサイトは、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士の個人的・非公式非公認ファンサイトです。これまで博士の芸術論講座や講演会に筆者が参加して、個人的に主観的に思ったこと考えたことが書かれています。ですから客観的な公式・公認の情報ではありません。

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