五井野正 博士ファン倶楽部  浮世絵と印象派を通して学ぶ自然世界

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日本人の黒い瞳と浮世絵の色彩感覚の世界 

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◆ 上段は、黒い瞳と青い瞳の写真です。瞳の色彩の違いは、太陽光によって生じるメラニン色素の量に関係して起きているようですが、それが太陽光による自然の色彩の微妙な変化を感知する能力に影響を与えるようです。もしかしたら、浮世絵や印象派の色彩の世界は、この瞳の機能によって作られてきたものなのでしょうか。

◆ 12月14日の大阪での講演会に参加をしてきました。こちらも京都と同じように本当に日帰りで東京に帰ってきましたが、震災後の講演に一度訪れているので久しぶりの大阪で、淀川がやけに広々とした河に見えてきました。

◆ この淀川近郊に確か、江口の君の『江口の里』があったような気がしますが、過去の淀川近郊には、ジブシーのような流れを汲んでいる遊女達がいた地域と述べられていて、昔アンダーグランドであった史跡も僅かに残っているようです。

◆ また時代を下ると京都の島原と並んで大阪新町の遊郭があった処も大阪にあり、確か夕霧太夫もそこにいたようなことだと思います。因みに言い伝えでは、夕霧太夫の瞳は、碧眼でブルーだったという話です。ハイブリッドであったのでしょうか・・・正確なことはわかりませんが、夕霧は大阪新町にも一時期いたとか・・・

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( 上記は、ネット検索より、碧眼のブルーの瞳です。伝承(吉野傳の中にその記述があるとか)では、夕霧の瞳も碧眼でブルーの瞳を持っていた女性らしく、もしかしたら出自がハイブリットであったのかもしれません。でも京都嵐山嵯峨野の地域でハイブリットの人であるとなると景教との関係が家系の中にある人なのでしょうか・・・碧眼ブルーということは、外国人・阿蘭陀人の血筋が入っているのかもしれませんが・・・詳しくは何もわかりません。)

◆ 講演会は、浮世絵の勉強会から参加してみましたが、かなり多くの本物の江戸時代の美しい浮世絵を見ることができました。どちらかというと三枚つづりの浮世絵が多かったと思います。スタッフの方が浮世絵を通していろいろと場面の説明を細かにされていました。その中で私が特に印象に深く残った話というのは、日本人の『黒い瞳』についての興味ある話でした。

◆ そのスタッフの方の話によると実は日本人の『黒い瞳』は、『すごいのだ!』と言う話でした。私たち日本人は、普通黒い瞳よりも、外人のブルーの瞳や紫の瞳、グリーンの瞳がとても綺麗なので憧れを持っている人が多いと思います。

◆ それに比べて日本人の黒い瞳は、綺麗ではありませんから、色つきのコンタクトをしている人も以前はいるとか聞いたことがありますが、実はこの黒い瞳には、色彩の微妙な変化を感覚的に捉えることができる機能が日本人には生まれながら備わっていると言う話なのです。

◆ それはそのスタッフの人がヨーロッパを訪問して、あちらの人々に浮世絵を見て貰った処、浮世絵の微妙な色彩の変化について、彼等の目では感覚的に色彩の変化が感知できないようなのです。たとえば、同じ緑にしても、その明暗の違いによって、様々なグリーンがあります。

◆ たとえば、赤にしても黄色にしても、油絵の具を買うときは、本当に様々な種類の絵の具があるように、色彩は本当に微妙に変化して存在しており、それが自然の世界であれば、色彩は多種多様に微妙に変化してゆきますが、この色彩の微妙な変化を彼等の瞳では感知出来ないということが、彼等に浮世絵を見せてその色彩の説明をしている時に気付いたという話をされていたのです。

◆ それはある色とある色の色彩の変化の違いを説明した処、その色彩の変化が感知できなかったというのです。これについては、医学的にいろいろと説明ができることと思われますが、( 太陽の光の弱い処ではメラニン色素が少なく、その関係で瞳が黒でなくなるらしい。)それは抜きにして、この微妙な色彩の変化を、日本人の持つ黒い瞳であれば、太陽の持つ自然の光を多く受け入れて、自然に色彩の変化に応じて感知できるということなのです。

◆ ですから黒い瞳を持つということは、ある意味では、日本人の瞳には、微妙な色彩の変化を感知する優れた美的センスを創る土台が備わっているということなのです。そしてその瞳の機能によって浮世絵の美意識の世界が作り上げられていると・・・なんかすごい話なのです。


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◆  また、今回の博士のご講演の中で、上記のモネの『ラ・ジャポネーズ』の絵の話がありました。この『ラ・ジャポネーズ』の絵は、モネの奥さんを日本の花魁風に描いたものですが、このモネの絵画についてのお話がありました。

◆ 当時のフランスではカトリック教会の戒律・倫理が支配していた社会なので、人々は地味な服装をして、女性は化粧をしていなかったようです。ですから、このような赤を基調として色彩の服はなく、そのようなファッションはなかったのです。(詳しい事については、モネの項目で・・・)それは、カトリック教会の倫理によって、人間の色彩感知能力と表現能力が抑圧されていたのかもしれません。

◆ しかし、日本から色彩豊かな浮世絵が大量にフランスのパリに流入することによって、人々の色彩感覚が変化して、浮世絵に描かれている着物のデザインや色調などを通して、それがフランスの人々の服飾やファツション感覚を変化させてしまったということです。

◆ また日本の浮世絵の世界では女性達が化粧をしている姿が美しく描かれていて、単にファツションや服飾モードに影響を与えただけではなく、それに付随して化粧というものが入ることによって、恐らくパリの女性達の美に対する感覚が変化してしまったのです。五井野正博士の芸術論の中では、『芸術とは、美の術によって社会を変革することである。』と以前説明がありました。

◆ 私たちは、普通に印象派の人々とは、絵画を描いていた人々と学校では教養として教えられていますが、実際の印象派の人々とは、単に絵画を描いていたのではなく、浮世絵の影響を大きく受けた絵画を通して、当時のカトリック教会の支配するキリスト教倫理社会体制を変革した人々であるということなのです。

◆ そしてそれのような形で日本から来た浮世絵の色彩感覚によって、当時のフランスのカトリック教会の倫理・戒律が支配する社会の変革をパリの浮世絵師である印象派の人々による社会運動によって変化してしまったということです。( カトリック教会とは、天国への鍵を持つとされたナザレのイエスの十二弟子の一人ペテロによって創設されたとされるキリスト教会)

◆ 恐らくこのカトリックというキリスト教の宗教戒律が、長い間、人々から自然で豊かな色彩感覚やファツション・モード感覚を奪ってしまうのかもしれません。たとえば日本で言えば禅宗の白黒世界のように・・・

◆ でもこの話については、どうして個人的に印象深く思ったのかというと、実はこの微妙な色彩の変化を感知する日本人の持っている眼の持つ色彩・感覚能力については、ヨーロッパで浮世絵を通してジャポニスムの研究をしている人によれば、そのようなことを含めて『神経の芸術』と日本人の芸術の世界を分析している人がいたからです。その人によれば日本美術とは、神経の芸術であるということなのです。

◆ 実は『ウィーンのジャポニスム』と言う図録の中でジャポニスムについて論文を書いている『ヨハネス・ヴィーニンガー』と言う人が『ヨーロッパ化した日本』ウィーンのジャポニスムに関する考察と言う下記の論文を掲載していますので抜粋してみました。以下はその説明文となります。



( 上記は『ウィーンのジャポニスムの図録』おもにクリムトの絵画やユーゲントシュティールの装飾美術と浮世絵の関係について述べられている。)

『 ウィーン分離派と言う比較的小さな芸術家集団の内部には、日本美術との精神的な絆が、容易には理解しがたい本能的なかたちで存在していた。それを説明するキー・ワードは【神経の芸術】である。この言葉は、1898年の【ヴェル・サクルム】第1巻の中で初めて、日本との関連において用いられる。「・・・・では、この高尚なる芸術の本質は、何であろうか・・・・日本の美術は、きわめて絶対的かつ純粋で、他の影響を被っていない点において、他のいかなる地域の芸術と異なっている。

 それは感覚の芸術であり、生物学的な用語を用いるならば、【神経の芸術】なのである。日本の美術は完全にこれを基礎において形成される。感覚ほど繊細なものはないからである。私の言わんとする【神経の芸術】これを、どうかするとそう思われかねないような浅薄な意味に受け取ってはならない。まさにヨーロッパの芸術が精神の産物であるように、日本芸術は神経の産物なのである。・・・』

◆ 以上がヨハネス・ヴィーニンガーの神経の芸術のコメントですが、この神経の芸術・感覚の芸術を支える一つの柱として、もしかしたら日本人の持つ黒い瞳の機能が深く関係はしているのではないかと思われてならないのです。またヨーロッパの浮世絵の研究者には、浮世絵や日本美術について、日本人には思いつかないような深い洞察をされている人がいると言うことです。

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水と木の精霊の守り人

Author:水と木の精霊の守り人
 浮世絵の中に描かれている宗教・歴史・信仰・民俗学・古典などに深い関心があり、『精霊の守り人』のファンです。また、浮世絵の影響を受けたフランス印象派やジャポニスムに関心を持っています。
( Impressionnistesとは、正しい翻訳では、印象派と訳すのではなく、フランスの浮世絵師と訳すのが正しい翻訳であるそうです )
特に浮世絵の研究者でもあり、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士のファンの一人です。博士の講演の中で、ジャポニスムとは、日本趣味ではなく正しくは、~イズム(ism)とはその人の生き方・精神を顕わして日本趣味ではなく、日本主義と訳すのが正しい翻訳であるそうです。また内部被曝問題に関心があります。日本GAP・アダムスキーやオムネク・オネクに関心を持っています。

◆ このファンサイトの主旨
 
 このファンサイトは、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士の個人的・非公式非公認ファンサイトです。これまで博士の芸術論講座や講演会に筆者が参加して、個人的に主観的に思ったこと考えたことが書かれています。ですから客観的な公式・公認の情報ではありません。

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