五井野正 博士ファン倶楽部  浮世絵と印象派を通して学ぶ自然世界

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江戸名所図会 内藤新宿                           水の世界・内藤新宿・歌舞伎町今昔物語

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◆ 上記の浮世絵は、三代・歌川豊国画・江戸名所図会・内藤新宿の浮世絵です。内藤新宿は、現在の新宿の故事来歴を示す一つの浮世絵ですが、中央の女性は、内藤新宿の旅籠にいる飯盛女・私娼の姿を顕わしているかもしれません。また左下にある小さな琵琶を持つ弁才天( アナーヒター神 )は、歌舞伎町壱丁目にある歌舞伎町弁才天で、江戸時代には、新宿は水辺の湿地帯であり、歌舞伎町には、実は大きな池があったとされています。

◆ 現在、新宿歌舞伎町は、芸能やお水の世界ですが、その地域を過去に遡ってゆくと、水辺や池の世界であったことがわかってきます。つまり始めから、水の関連している地域であり、それも多くの池があった地域なのです。またこれはあくまでも個人的解釈となりますが、今様の弁才天!?は、25時間、白いギターを持って歌舞伎町で流しをした古代の巫女の流れを受けた人ですが、この琵琶を持つ小さな弁才天は、実はその巫女の姿を昔も今も顕わしていたのかもしれません・・・・

◆ 『 新宿というトポスに関する研究・照井恒衛氏 』と言うの研究論文には、そのような芸能や歌謡の世界と深く関係する<水の世界>と関係の深い新宿の持つ地理的・社会的・文化的・宗教的側面より見た興味深い考察が述べられています。以下はその引用となりますが、新宿の現在と過去の姿を見つめてゆくとそこに日本の古代の神話から流れている芸能と水の世界と深く繋げる何かが見えてくるのかもしれません。その意味で上記の論文の考察は大変に興味深いものと思われます。

 第一章 新宿二丁目(内藤新宿)における周縁性より

『 新宿を<水>という観点から考えると、かつて新宿二丁目(内藤新宿)周辺には玉川上水が流れていた・・・・・・またこの周辺には、内藤新宿の太宗寺の<池>を水源とした「蟹川」も流れていた。このようにかつての新宿二丁目近辺には、今では想像もつかないかもしれないが、川や池と言った<水>が豊富な生命の源泉の場所だったのである。』 

『 ・・・・つまりここには宿につきものの「飯盛女」や「足洗い女」といった遊女がいた・・・幕府は宿場に遊女を置くことは禁止していたが、その一方、旅客に給仕する女性としての食売女(飯盛女)を置くことを容認していた・・・・・地形的にこの付近は、前述したように、現在なくなってしまった「蟹川」という川の水源でもあり、ここから歌舞伎町方面に水が流れていた。太宗寺の境内にもかつては湧き水が湧いていた、大きくてきれいな池があったが、都市化の波を受けて、枯れてしまった。このように、新宿二丁目(内藤新宿)周辺も後述する歌舞伎町と同様、<水>の豊かな水源地なのである。』

◆ 私たちは、一般的には現在の都市化された新宿の姿しか知りませんが、この論文を読んで行くと、現在の新宿二丁目にあたる上記の浮世絵に描かれている『内藤新宿』とは、実は水の豊かな水源地であったと述べられています。そしてそこを水源とする豊かな川の流れが現在の歌舞伎町方面に流れていたということです。次に論文では、新宿二丁目の隣に位置する歌舞伎町の過去の姿について述べらています。

参考・引用文献
新宿というトポスに関する研究・照井恒衛氏
http://repo.lib.hosei.ac.jp/bitstream/10114/3025/3/ijt_08_06_terui.pdf

アナーヒター神
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%92%E3%82%BF%E3%83%BC


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( 昔の歌舞伎町には、鬱蒼とした深い緑の森林や川や池の世界があったと言う・・・・恐らくそこにはまったく現在の都市化された姿とまったく違った自然の水と木の豊かな世界があったのだろう。そして弁才天・アナーヒター神が、歌舞伎町の中心部にあるということが、その大きな池の存在を物語っていたのです。一番下段の画像は、アルメニアの映画・アヴェティックの中で表現されているアナーヒター神の姿のようです。アナーヒター神は、ゾロアスター教の女神ですが、アルメニアがキリスト教化される以前には、河川の女神として信仰されていたようです。)

 第二章第一節 歌舞伎町の地理的周縁性より
 歌舞伎町の原風景<自然環境>~<水>の風景・川と池と湿地帯~

『 まず新宿歌舞伎町の<土地の記憶>というべき原風景について地理的考察を加えることにする。現在の歌舞伎町付近<かつての角○一丁目北町>は、大久保という地名の由来にもみられるように、窪地の湿地帯で谷底の町であった。また江戸幕府の訓練場である野場のような場所で、そのために地名も野場と称していた。明治以降は肥前藩主・大村子爵の別邸となり、後藤新平も鴨猟を行った鴨場であり「大村の森」と呼ばれていた。このように歌舞伎町の中心部の原風景は鬱蒼とした森林で、真ん中に沼があったのである。』

『紀ノ国屋書店の創業者である田辺茂一は「わが町・新宿」の中で「二歳のころ、小僧の背にのって、大村の山にわけ入ったことがある。この大村の山は、現在の歌舞伎町一帯であるが、そのころは、鬱蒼とした大木が茂っていて、山鳥や山犬がいた」と述べている。』

『 このように、明治三十年代まではここに中島をもった大きな鴨池があり、この池の畔には弁天様が祀ってあったのである。現在でも「歌舞伎町弁天」としてかつての沼地の中心地であったビルの谷間の公園に祀られている。このように、現在の歌舞伎町一帯の原風景の地形は大きな池のある広大な湿地帯た゜ったのである。これは江戸時代の歌舞伎町、つまり芝居町であった葭町と共通する。なぜなら、葭町も、芝居町が形成される前は、ヨシが群生する湿地帯であったからである。』

『また、かって「蟹川」という川も流れており、その川の水源もこの付近にあったと言われている。「歌舞伎町」も「新宿二丁目」と同様、水豊かな生命の再生の場所であったのである。現在の西武新宿北口の一丁目と二丁目の境( 大久保病院付近 )にあった湧水池が水源となって、「蟹川」という一本の川が明治通り方面を経由して、新宿文化センターの先の太宗寺境内の池からの流れと合流して、戸村村を抜けて、神田川に合流していたのだ。 』

◆ 歌舞伎町の過去の地理的自然的な原風景について抜き出してみましたが、その原風景とは、歌舞伎町とは、森に囲まれた大きな池があって、その池の中央には中島があって、弁才天で祀られていたということがわかってきます。そしてその周りの自然環境は湿地帯であり、周辺には水源となる池や川が流れていた水の世界と関係の深い地域であったということが見えてくるのです。そこには、現在の都市化された新宿の姿からは想像ができない世界ですが、大きな池・湖水の世界が歌舞伎町の原風景であったのです。
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水と木の精霊の守り人

Author:水と木の精霊の守り人
 浮世絵の中に描かれている宗教・歴史・信仰・民俗学・古典などに深い関心があり、『精霊の守り人』のファンです。また、浮世絵の影響を受けたフランス印象派やジャポニスムに関心を持っています。
( Impressionnistesとは、正しい翻訳では、印象派と訳すのではなく、フランスの浮世絵師と訳すのが正しい翻訳であるそうです )
特に浮世絵の研究者でもあり、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士のファンの一人です。博士の講演の中で、ジャポニスムとは、日本趣味ではなく正しくは、~イズム(ism)とはその人の生き方・精神を顕わして日本趣味ではなく、日本主義と訳すのが正しい翻訳であるそうです。また内部被曝問題に関心があります。日本GAP・アダムスキーやオムネク・オネクに関心を持っています。

◆ このファンサイトの主旨
 
 このファンサイトは、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士の個人的・非公式非公認ファンサイトです。これまで博士の芸術論講座や講演会に筆者が参加して、個人的に主観的に思ったこと考えたことが書かれています。ですから客観的な公式・公認の情報ではありません。

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