五井野正 博士ファン倶楽部  浮世絵と印象派を通して学ぶ自然世界

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五井野正博士『ジャポニスムとは、日本主義である。』                       白樺派の人々が『古来の衣鉢』を持っていたら!?

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(三代 歌川豊国 今様押絵鏡 小山田娘 おたか フォーゲラーによれば、日本の善美なる浮世絵には、古来の衣鉢が流れていると示唆している。ヴィセント・ファン・ゴッホは、その古来の衣鉢を通して永遠の仏陀の素朴な崇拝者となったのだと思う。)

  1912年8月30日 フォーゲラーより柳宗悦へ

『 拝啓 善美なる木版御贈与被下奉深謝候、貴国の諸名家は全欧州の近代美術の発展に多大なる影響を与えられ候。小生に於いては唯極めて芸術的なる貴国民が有する驚嘆す可き古来の衣鉢が欧羅巴の影響の為に消滅するが如きことなく劫て百事善く自家薬籠中のものと為されんことを中心より祈るのみに御座候。作品の決算と御返却をお待ち申上候。卿等の懇切なる御尽力に対して「白樺」の為に描きたる小生の素画一葉御送り申上且卿の諸友に好誼を致候。敬具』 

◆ 上記は、前回書き込みをしましたハインリヒ・フォーゲラー展の図録の中に掲載されている白樺派の草創期の同人の一人である柳宗悦に対してのフォーゲラーの往復書簡の一部となります。

◆ その中で柳宗悦ら同人達は、白樺派のシンボルマークを書いてほしいとフォーゲラーに依頼をしているのですが、その図案の作成費として、フォーゲラーの書簡の始めにあるように『善美なる木版』である日本の浮世絵を送っているのです。

◆ そして上記フォーゲラーの柳宗悦に対する書簡は、そのご返事ということになるのですが、フォーゲラーは、日本から届いた浮世絵を見て、上記のような内容を書いてきていると思われるのです。それは『貴国の諸名家が全欧州の近代美術の発展に多大なる影響を与えた。』と書いているのです。

◆ それは『全欧州』と書かれていますから、そのまま理解すればヨーロッパの世界全体の近代美術に多大な発展に影響を与えたということになると思います。また『諸名家』については、これは推測となりますが、フォーゲラーは、すでに北斎、歌麿、広重などの浮世絵を持っていると述べているので、それは恐らく日本の浮世絵師の流れを意味しているのでしょう。

◆ その上で大変興味深いことはフォーゲラーは、文脈の流れから推測すると、そのような日本の善美なる浮世絵版画を作り上げている日本の諸名家である浮世絵師達の流れを、或いはそのような美術品を生み出した日本人の昔から流れている芸術的感性を、フォーゲラーは『古来の衣鉢』と表現していることなのです。

◆ つまり、フォーゲラーは、極論すれば浮世絵や浮世絵の中に顕されている古来から日本人が持っている芸術的感性を『古来よりの衣鉢』と表現しているのです。或いは彼は、浮世絵を古来の衣鉢として捉えていたのかもしれません。

◆ しかし、それはあくまでもフォーゲラーのドイツ語で書かれいる書簡を柳宗悦が日本語に翻訳して、そのような概念で理解して日本語に翻訳をしたのですから、ある意味ではこの表現は、フォーゲラーからの手紙を翻訳することを通して、日本の浮世絵の中に流れている芸術的感性を『古来からの衣鉢』と宗悦が表現したのかもしれません。

◆ ですから本当はフォーゲラーのドイツ語の原文がどのように表現されていたのか確認をしないとフォーゲラーの意図はわかりませんが、浮世絵を白樺派の同人より送られて、その返事として書かれているわけですから、少なくとも文脈から、上記のようなことが推測できるのではないでしょうか。

◆ それは少なくとも、ハインリヒ・フォーゲラーという画家は、日本の浮世絵版画の中に、日本人の古来から脈々と受け継がれている『古来の衣鉢』を、日本の浮世絵の善美なる世界の中に発見して感じていたのです。それもドイツを代表するユーゲントシュティールの画家が、日本人にそのように伝えたのです。

◆ しかし、肝心の白樺派の同人達は、フォーゲラーが伝えた浮世絵と言う『古来の衣鉢』に気付かなかったかもしれません。

◆ そして今度は、白樺派の活動の第2期として、白樺派がドイツのユーゲントシュテイールの影響からフランス印象派絵画の紹介活動時期となって、今度はヴィセント・ファン・ゴッホの書簡を通して、日本の若い世代の人々に、ゴッホの存在を啓蒙することになってゆきます。

◆ そしてフォーゲラーは気付いていなかったかもしれませんが、実はこのヴィセント・ファン・ゴッホこそが、日本の浮世絵の世界に流れている『古来の衣鉢』の存在を深く感じて、全欧羅巴の世界にジャポニスム・日本主義を啓蒙した中心人物でした。

◆ そして白樺派は、第2期の活動時期に、そのゴッホを広く日本に紹介しましたが、フォーゲラーが始めに柳宗悦に示唆した日本人の芸術的感性に流れている『古来の衣鉢』がわからなかったかもしれません。
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水と木の精霊の守り人

Author:水と木の精霊の守り人
 浮世絵の中に描かれている宗教・歴史・信仰・民俗学・古典などに深い関心があり、『精霊の守り人』のファンです。また、浮世絵の影響を受けたフランス印象派やジャポニスムに関心を持っています。
( Impressionnistesとは、正しい翻訳では、印象派と訳すのではなく、フランスの浮世絵師と訳すのが正しい翻訳であるそうです )
特に浮世絵の研究者でもあり、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士のファンの一人です。博士の講演の中で、ジャポニスムとは、日本趣味ではなく正しくは、~イズム(ism)とはその人の生き方・精神を顕わして日本趣味ではなく、日本主義と訳すのが正しい翻訳であるそうです。また内部被曝問題に関心があります。日本GAP・アダムスキーやオムネク・オネクに関心を持っています。

◆ このファンサイトの主旨
 
 このファンサイトは、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士の個人的・非公式非公認ファンサイトです。これまで博士の芸術論講座や講演会に筆者が参加して、個人的に主観的に思ったこと考えたことが書かれています。ですから客観的な公式・公認の情報ではありません。

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