五井野正 博士ファン倶楽部  浮世絵と印象派を通して学ぶ自然世界

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『世紀末ドイツの若者』を読んで                             森の樹木に宿る木霊(木の精霊)の世界を求めて

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■ 書籍紹介・説明・まえがきより

 ドイツの若者のイメージを代表するワンダーフォーゲルは、反世紀末的で、反デカダン的であった。彼らは世紀末を、次の世紀への跳躍の兆候としてとらえた。若者が創り出した雑誌「ユーゲント」も未来への希望を表現した。ドイツの世紀末は、パリやウィーン風の終末論的世紀末と異なり、未来志向の世紀末転換期であった。世紀末に生きるドイツの若者の生態を文化史的観点から斬新に描いた名著。

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◆ 特に書籍の紹介と言うことではないのですが、前回ドイツのワンダーフォーゲル運動のことについて少し述べましたので、参考文献ということで上記を上げてみました。と言うよりも実は、本当はこの本の中に描かれているワンダーフォーゲルについて表現されている当時のイメージイラストを見て貰いたいと思ったのです。

◆ そのようなことで下段の表紙のイラストは、そのイメージイラストなのですが、実は文章というよりも、この一枚のイメージイラストのほうが、ドイツの森や樹木の世界の中を彷徨って、ギターなどの楽器を持って歌って踊って楽しんで遊行している若者の雰囲気が伝わってくるのです。本当は、森の中でキャンプフィヤーの焚き火をして踊っているイメージイラストもあるのです。

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◆ 私は高校生の時の林間学校で山の中で、みんなで焚き火をして歌って踊って楽しんでいた、ずっと昔の思い出の僅かな印象の中に、ワンダーフォーゲルの姿を垣間見るようですが、それは単に娯楽やレジャーということではなく、ドイツにおいては、深い森の樹木の世界に宿っている木霊信仰・木の精霊に対する信仰の世界があったと感じています。

 ドイツの自然の精霊に対する信仰観

◆ ドイツの自然の精霊に対する信仰観は、ドイツの詩人のハイネが『精霊物語』『流刑の神々』『ドイツ古典哲学の本質』の中でも述べられていますが、それは文字の世界で理解するよりも、キリスト教倫理社会の戒律から解放された芸術の世界において、ドイツにおいては、ユーゲントシュティールの世界に垣間見ることができるかもしれません。


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( 上記は、雑誌【ユーゲント】の表紙ですが、それはキリスト教的世界観ではなく、ドイツの汎神論的で、自然な妖精的の世界が描かれています。キリスト教倫理によって失われた過去の妖精の世界は、日本のジャポニスムの影響によって、汎神論の国・ドイツでは、ユーゲントシュティールという美術様式の世界、に失われた妖精の世界が再生されてきたと言えるのではないでしょうか。 )

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◆ 汎神論的なゲルマン民族の民間信仰とキリスト教㌻33~

『 ヨーロッパの民間信仰は、南方よりは北方では一そう汎神論的であった。北ヨーロッパの民間信仰における秘法やシンボルは一種の自然崇拝からできあがっていた。水火地風のいずれの要素もふしぎな力を有するものとしてうやまわれた。どの木にも神の力がいきづいていた。現象の世界にはあまねく神の力がはたらいていた。キリスト教はこうしたものの見方をひっくりかえして、自然にあまねく行きわたっているものは、神の力ではなくて、悪魔の力であると教えた。』

◆ キリスト教と古代ゲルマンの汎神論的世界観㌻43~

 こうしたものすごいことが起こったのは、直接にキリスト教会のせいではなく、間接にキリスト教会の陰謀のせいなのである。つまりキリスト教会は、古代ゲルマン民族の宗教をいじわるくまげてしまい、あまねく神の力がいきわたっているというドイツ人の世界観をあまねく悪魔の力がいきわたっているという世界観にまでつくりかえてしまい、ドイツ人が昔から尊んでいたものを、いやらしい悪魔の仕業だとしてしまったのである。


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 流刑の神々・精霊物語・解説より略㌻195~

 『精霊物語』は、1835年~36年にかけて書かれた。その第一部ともいうべき部分は、フランス人にドイツ古来の精神文化を紹介するために発表された・・・・さてハイネは、この『精霊物語』と『流刑の神々』で何を言いたかったのだろうか・・・・『精霊物語』では、民衆の間で信仰されていた、こびとや妖精たち、今日の用法で言えば民俗神たちが、人間とともに暮らしていた最後の時期に、人間に裏切られて人間の生活圏から去っていく様子を、同情をこめて描いている。

 キリスト教化されたのちのヨーロッパでは、民俗学の研究は民間信仰に対してはなされなかった。民間信仰は邪神への「迷信」とされたからである・・・・そのなかにあってハイネは、民衆の心の生活に深く根ざしていたものとして、それらの民俗神に改めて光をあてたのであった。その意味でこれらの作品のもつ意義は大きいが、ハイネの作品としてこれらは、現代のドイツにおいてはほとんど知られていないものである。

 たしかにキリスト教は全ヨーロッパをすっぽりと網の中に入れた。そしてキリスト教があるときは世俗権力と争い、或いはそれと手を結びあった歴史が、すなわちヨーロッパの歴史となっている。しかし、すっぽりとおおったはずの網の端から、ちょろちょろと古代信仰の断片がもれてみえる。それが伝説であり、祭りなどの習俗である。伝説にはこびとやコーボルト、ノルネ、フェーなどが出没する。出没する場所は森や山、畑、川は農民たちの生活圏である。  
 
◆ 自然の精霊世界と道教・バラモン教の自然の五行循環の世界

◆ このように述べると、まったく私たち日本人とは関係ないように思われるかもしれませんが、自然の精霊の世界とは、東洋的そして道教的・バラモン教的に述べるのであれば、それは五行の世界を感じる世界でもあるのです。たとえば、水の精霊の世界、木の精霊の世界とそれらは道教で述べる自然の五行の世界を意味しています。

◆ さらにその五行の世界の動きを理解しょうとするのであれば、宇宙空間から地球という天体と見つめてゆくとその地球の世界の動きとは、本当に五行の世界が具体的に芸術的に表現されていると感じることができるのではないでしょうか。それは地球の生命活動を科学的に理解してゆくよりも、五行の世界で理解したほうが、不思議なことにわかりやすいのです。

◆ そしてその自然の五行の世界は、色彩を放っていますから、それは一枚の絵画の世界に、自然の五行の世界は、その人の感じた世界として顕して他の人々に伝達してゆくことができるのです。自然の世界を描いた印象派の世界の中にも、五行の世界が顕されています。

◆ 私たちは、地球や自然と絵画の世界は、次元の異なる世界のように捉えていますが、五行の世界で理解すれば絵画の世界にも自然の世界にも地球の世界にも共通して、この五行の世界が顕されていることに気付くのです。そしてそれは東洋医学の世界では、人体の世界にも顕されいるのです。

◆ このように考えゆけば、ドイツと言う国の中に昔から伝えられている森の樹木の中に宿る『木霊や木の精霊の世界』とは、道教で述べる五行の世界の『木』を顕す世界であり、それはまたバラモン教の世界でもあるのです。

◆ そして、そのような『木の精霊』の世界が、もし木星という天体に五行の世界で繋がりがあるとしたら、宇宙や自然を理解してゆくためには、どのようにしたらよいのか、楽しく面白いものがあるのではないでしょうか。と個人的には思うことがあります。


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◆ またこのドイツに始まったワンダーフォーゲル運動の社会的側面を調べてゆくのであれば、この自然を遊行するワンダーフォーゲル運動は、様々な宿泊施設の必要性を生み出してゆきました。それは現在の『ユースホステル』や『ゲストハウス』の世界、そして『サナトリウム』と言う自然の世界の中にある療養所という思想も、ドイツという国の中の森の精霊の世界から生まれてきたもりのといえるのではないでしょうか。


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水と木の精霊の守り人

Author:水と木の精霊の守り人
 浮世絵の中に描かれている宗教・歴史・信仰・民俗学・古典などに深い関心があり、『精霊の守り人』のファンです。また、浮世絵の影響を受けたフランス印象派やジャポニスムに関心を持っています。
( Impressionnistesとは、正しい翻訳では、印象派と訳すのではなく、フランスの浮世絵師と訳すのが正しい翻訳であるそうです )
特に浮世絵の研究者でもあり、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士のファンの一人です。博士の講演の中で、ジャポニスムとは、日本趣味ではなく正しくは、~イズム(ism)とはその人の生き方・精神を顕わして日本趣味ではなく、日本主義と訳すのが正しい翻訳であるそうです。また内部被曝問題に関心があります。日本GAP・アダムスキーやオムネク・オネクに関心を持っています。

◆ このファンサイトの主旨
 
 このファンサイトは、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士の個人的・非公式非公認ファンサイトです。これまで博士の芸術論講座や講演会に筆者が参加して、個人的に主観的に思ったこと考えたことが書かれています。ですから客観的な公式・公認の情報ではありません。

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