五井野正 博士ファン倶楽部  浮世絵と印象派を通して学ぶ自然世界

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ハインリヒ・フォーゲラーと白樺派・柳宗悦の書簡                         『浮世絵は、全欧羅巴に多大な影響を与えた。』

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◆ 上記は、白樺派同人の一人で後に日本民原藝館を創設した柳宗悦です。彼は白樺派の草創期に、ハインリヒ・フォーゲラーと書簡での交流をしていました。(イラストは、白樺文学館HPより)下段は、ハインリヒ・フォーゲラー写真です。(写真は、ギャラリー・時の忘れものより転載)。

◆ フォーゲラーは、柳宗悦への手紙の中で、北斎、歌麿、広重の絵を持っていると述べているのです。また女性の肖像画を描いてる背景の中に浮世絵が描かれている絵画もあり、白樺派草創期に交流をしていたドイツの画家は、ジャポニスム・日本主義の影響を受けていたということになると思います。以下は、フォーゲラーと柳宗悦の往復書簡の一部です。

  1912年1月~2月頃 フォーゲラーより柳宗悦へ

『 拝啓 お手紙たいへんありがとうございました。まるでドイツの詩人が書いたようなお手紙で、あなたの文体にすつかり敬服いたしました。私は喜んであなたがたの会のために白樺の紋章の絵を描かせていただきます。すぐにこの小さな仕事をいたすつもりです。彩色木版画は、私にはたいへん興味深く存じます。私は、北斎、歌麿、広重らのものをわずかばかり持っているにすぎません。親愛なるご挨拶をこめつつ。敬具 』                                    

  1912年2月頃 フォーゲラーより柳宗悦へ

『 拝啓 数日前あなたからの心のこもった贈り物を受け取り、たいへんうれしゅうございました。残念ながら本文を読むことはできませんので、私の芸術が東洋の心にどのような影響を及ぼしているのか知りたく存じます。造園術についての書物は、私にとって刺激に富むものです。この贈り物と交換に、私の作品のうちから何かを選んでくださいませんか。ぜひお願いしたします。当地は今冬で、すべてが雪におおわれています。展覧会の成果についてのお便りを鶴首しております。敬具 』


  1912年8月30日 フォーゲラーより柳宗悦へ

『 拝啓 善美なる木版御贈与被下奉深謝候、貴国の諸名家は全欧州の近代美術の発展に多大なる影響を与えられ候。小生に於いては唯極めて芸術的なる貴国民が有する驚嘆す可き古来の衣鉢が欧羅巴の影響の為に消滅するが如きことなく劫て百事善く自家薬籠中のものと為されんことを中心より祈るのみに御座候。作品の決算と御返却をお待ち申上候。卿等の懇切なる御尽力に対して「白樺」の為に描きたる小生の素画一葉御送り申上且卿の諸友に好誼を致候。敬具』 


  1912年11月7日 柳宗悦よりフォーゲラーへ

『 拝啓 待ちごがれておりました御作、胸ときめかして受け取りました。その日のうちに私たちは参集し、たぐいまれな喜びをわかちあいました。私たちにとりましては、それがどのような体験であったことか、お考えになってみてください。私たちの雑誌のこれからの号は、御作をシンボルとして掲げていることを誇りとすることができましょう。それはいわば、私たちが深く尊敬してやまない芸術家の作品によって栄冠を授けられていることになるわけです。私たちは、それにふさわしい雑誌とするよう努力いたすつもりです。心からの感謝とご挨拶をもって。敬具 柳宗悦 』 (以下は省略しました。) 


◆ 上記書簡は、ハインリヒ・フォーゲラー展の図録からの抜粋となります。わずかな書簡となりますが、このフォーゲラーが柳宗悦に宛てた手紙の中で一番驚くことは、『 貴国の諸名家は、全欧州の近代美術の発展に多大な影響を与えた。』と言うことが述べられています。

◆ さらに『 貴国民が有する驚嘆す可き古来の衣鉢が欧羅巴のために消滅 』してしまうことを危惧していると述べられていることです。私たち、現代の日本人は、このフォーゲラーの言葉を読んでどのように思うものでしょうか。

◆ このフォーゲラーの日本美術や日本人に対する評価と危惧は、同時にヴィセント・ファン・ゴッホの書簡の中でも述べられていることであり、また幕末に不思議なアリスの国・日本を訪問した諸外国人達も同じようなことを述べているということを、私たち現在の日本人はどのように思うものでしょうか。

◆ それは五井野正博士が芸術論講座や講演会の中で述べられていたように、日本の浮世絵は、フォーゲラーの述べるように、全欧州に多大な影響を与えた芸術であり、私たち現在の日本人は、あまりにその事実を知らすぎると言うことではないでしょうか。
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水と木の精霊の守り人

Author:水と木の精霊の守り人
 浮世絵の中に描かれている宗教・歴史・信仰・民俗学・古典などに深い関心があり、『精霊の守り人』のファンです。また、浮世絵の影響を受けたフランス印象派やジャポニスムに関心を持っています。
( Impressionnistesとは、正しい翻訳では、印象派と訳すのではなく、フランスの浮世絵師と訳すのが正しい翻訳であるそうです )
特に浮世絵の研究者でもあり、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士のファンの一人です。博士の講演の中で、ジャポニスムとは、日本趣味ではなく正しくは、~イズム(ism)とはその人の生き方・精神を顕わして日本趣味ではなく、日本主義と訳すのが正しい翻訳であるそうです。また内部被曝問題に関心があります。日本GAP・アダムスキーやオムネク・オネクに関心を持っています。

◆ このファンサイトの主旨
 
 このファンサイトは、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士の個人的・非公式非公認ファンサイトです。これまで博士の芸術論講座や講演会に筆者が参加して、個人的に主観的に思ったこと考えたことが書かれています。ですから客観的な公式・公認の情報ではありません。

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