五井野正 博士ファン倶楽部  浮世絵と印象派を通して学ぶ自然世界

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ヴィセント・ファン・ゴッホを日本紹介した                                                          雑誌『白樺』の表紙の世界とドイツ世紀末文芸雑誌 『ユーゲント』 


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( 上段は、山口県立山口図書館・資料展示・明治期の文芸雑誌よりの画像です。下段は、白樺派誕生百年の美術図録です。中央に描かれている白樺の木のイラストは、白樺の同人の一人であった児島喜久雄が16歳の時に描いたイラストと言われています。)

◆ ヴィセント・ファン・ゴッホについて、調べ始めた時に、ゴッホがその書簡の中で自分の肖像画を描いて、親友のゴーギャンの自画像と交換しょうとして描いた自らの肖像画を『永遠の仏陀の素朴な崇拝者の像』としてコメントされていたことを五井野正博士の講演会で始めて知り、本当にゴッホの書簡の中にそのようなことが書かれているのかということで、大変興味を持って、ゴッホの書簡に関心を持つようになったことがきっかけで、白樺派の文学者達に関心を持つようになった。

◆ 雑誌『白樺』は明治43年に創刊の文芸雑誌で、武者小路実篤、志賀直哉、里見淳、有島生馬、柳宗悦などの文学者達で、雑誌・白樺を通してゴッホやゴーギャンやロダンなどの後期印象派の画家達を日本に紹介していた雑誌です。ゴッホの書簡を始めに日本に紹介した人々が白樺派の人々です。

◆ 日本人は、始めにゴッホの絵画からではなくゴッホの書簡を読んで、ゴッホの便箋(ヴィセント)のファンになったと博士が話をされていました。当然、書簡や手紙を書けば、切手が必要となります。そのようなことで、私にとっては、手紙と切手の世界が、いつのまにか白樺派の世界のようになっていました。

◆ それでは、そのようなことでそれらの白樺派の文学者達の作品を読んだのかというとそうではなく、いろいろ概論風な入門書を読んだり現在まで存続している『新しき村』を訪れたり、千葉県にある白樺派の文学者達が住んでいた我孫子にある白樺派文学館を訪ねたり、都内にある白樺派の一人である柳宗悦が作った日本民藝館などを訪れたりしていました。

◆ ただ個人的な感覚として、一番印象に残ったものが実は、上記の『白樺』という雑誌の表紙であったのです。この『白樺』という雑誌のイメージがとても新鮮に感じられ、一本の白樺の木の背景には、山々と湖が描かれていて、その湖面には、木々の影が描かれています。それは簡単なイラスト・挿し絵かもしれませんが、この雑誌のイメージより、白樺派の気持ちの世界が伝わってくるような気がしたのです。特に白樺と言う樹木のイメージです。

◆ そしてこの樹木のイメージとは、ドイツのジャポニスムであるアール・ヌゥボーであるユーゲントシュティールの様式を顕しているように思います。(あくまでも個人的感覚の見解です。)そして『白樺』の樹木には、ロシア的なイメージがあります。つまり白樺派と言う美術雑誌の中には、ドイツ的なそしてロシア的な自然の感性の世界がが入っているような気がします。そして、白樺派は、ドイツのユーゲントシュティールやハインリヒ・フォーゲラーの芸術村に大きな影響を受けていました。

◆ そしてそれはつまり、 白樺派は、ドイツ世紀末のイラスト文芸雑誌 『ユーゲント』の影響を受けていたのかもしれません。下記資料には、多くの示唆に富む記事があります。もしかしたら、雑誌『白樺』とは、ドイツの世紀末のイラスト文芸雑誌『ユーゲント』の日本版であり、それは日本のジャポニスムが、奇異なことに、ドイツの『ユーゲント』誌を通して日本の雑誌『白樺』に流れてきたのです。

ドイツ世紀末のイラスト文芸雑誌 『ユーゲント』
http://www.wul.waseda.ac.jp/Libraries/fumi/11/11-18.html

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(上記は、 ドイツ世紀末のイラスト文芸雑誌 『ユーゲント』の表紙です。上段のドイツ人の男性は、樹木と松明を持っていて、とてもドイツの民俗的な姿を顕わしているように思えてきます。 )

■ 以下の文章は、上記は、早稲田大学図書館報の資料よりの引用文となります。

ドイツ世紀末のイラスト文芸雑誌
『ユーゲント』


『 ヨーロッパ19世紀末の芸術を抱括的に表現する様式が「アル・ヌーヴォー」と呼ばれているが、ドイツ語圏に限っていえば、「ユーゲントシュティール」と称されるものがあった。この言葉の由来が紹介する『ユーゲント』である。当時、19世紀から20世紀への変わり目で文化・芸術の表現様式が転換期を迎えていた。様々な試行錯誤がなされたが、それらを可能としたメディアのひとつが、雑誌であった。

 フランスの『ラ・ルヴィユー・プランシュ』(La Revue Blanche,1891-1903),
イギリスの『ザ・ステューディオ』(The Studio,1893-),が英仏の代表誌とすれば、ドイツでは『パーン』(Pan,1895-1900)と並んでこの『ユーゲント』か挙げられる。図書館では既に『パ一ン』,『ステューディオ』を収蔵しており、『ラ・ルヴィユー・ブランシュ』は、文学部が所蔵している。今回これに加えて『ユーゲント』を入手できたことにより、ドイツ文芸史をはじめとする関連分野の基礎資料を充実させることになろう。

 同誌は、1896年にミュンヘンで出版業を営んでいたヒルト(Georg Hift,1841-1916)によって編集刊行された。わずか20ページに満たない冊子であったが、多色刷を含む豊富なイラストと機智に富んだ軽快な内容とが受け、たちまちにして広汎な読者を獲得するに至った。

 同時代の『ハーン』や『インゼル』(Die lnse1,1888-1901,末収蔵)がどちらかといえば、芸術的かつ高踏的な誌面のため、限られた層に受けいられたのに対して、『ユーゲント』.には、漫画、ポンチ絵、広告が多く、その多彩性が大衆に受けたのである。そのことが、同誌が他の2誌に比較してより長期間刊行され続けた(停刊は1940年)要因となった。

 今回収蔵することができたのは、創刊号から1918年までのものである。このうち、やはり19世紀末のものに見られる漸新なイラストが目をひくであろう。登場する作家は、ミュンツァー(Adolf Munzer)、クリンガー(Max Klinger)、ヤンク(Anlglo Jank)、ベックリン(Arnold Bocklin)、シュトゥック(Ffanz von Stuck)等々である。

 創作、評論では、エルンスト(Otto Ernst)、ホーフマンスタール(Hugo von Hofmansthal)などの寄稿がある。編集者のヒルト自身「Neue Stil」なる論説(1898年51号)を発表『ユーゲント』と「ユーゲントシュティール」について論評している。

 『ユーゲント』誌をくっていくと、ポンチ絵に日本人が時々登場じてくるのが目につく。これは当時のョーロッパに流行していた日本趣味「ジャポニズム」の影響であろう。また日露戦争当時のものには、強国ロシアに勝利しつつある日本および日本人を描いたものなども含め、当時の対日感情の一端が覗えて面白い。

 また、「Jugend」のタイトル文字は、毎号その時々の表紙絵に従って変わっていることが同誌の特徴である。タイトルのロゴに拘泥せず、絵の特性を生かしたり、また絵の中に自由にレイアウトされてしまっていたりしている。これもまた「ユーゲントシュティール」の主張でもあったのであろうか。』

◆ さて、上記、ドイツのイラスト文芸雑誌『ユーゲント』について述べられている文章を読むと、19世紀から20世紀の芸術の表現様式の転換期の時期において、ヨーロッパ各国は、日本のジャポニスムの影響を受けて、イギリス・フランスそしてドイツにおいても様々な文芸・芸術雑誌が生まれてきていることがわかります。

◆ そして日本においては、そのような芸術の転換期に出された雑誌が『白樺』なのかもしれません。しかし、多くの人々は『白樺』というと文芸雑誌であって、イラストの世界とは違うと思われるかもしれませんが、実は白樺の創刊号からの草創期の白樺の雑誌の中には、様々なイラストが掲載されているのです。

◆ そしてその掲載されているイラストや挿絵が、『白樺派が愛した美術』の図録の中に掲載されているのです。そしてその中には、イギリスのビアズリーを始めとして、ドイツのマックス・クリンガーハインリヒ・フォーゲラーなどの作品が掲載されています。白樺派の草創期では、クリンガーやフォーゲラーのドイツの画家と白樺派の人々は、文通をしていたのです。

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水と木の精霊の守り人

Author:水と木の精霊の守り人
 浮世絵の中に描かれている宗教・歴史・信仰・民俗学・古典などに深い関心があり、『精霊の守り人』のファンです。また、浮世絵の影響を受けたフランス印象派やジャポニスムに関心を持っています。
( Impressionnistesとは、正しい翻訳では、印象派と訳すのではなく、フランスの浮世絵師と訳すのが正しい翻訳であるそうです )
特に浮世絵の研究者でもあり、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士のファンの一人です。博士の講演の中で、ジャポニスムとは、日本趣味ではなく正しくは、~イズム(ism)とはその人の生き方・精神を顕わして日本趣味ではなく、日本主義と訳すのが正しい翻訳であるそうです。また内部被曝問題に関心があります。日本GAP・アダムスキーやオムネク・オネクに関心を持っています。

◆ このファンサイトの主旨
 
 このファンサイトは、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士の個人的・非公式非公認ファンサイトです。これまで博士の芸術論講座や講演会に筆者が参加して、個人的に主観的に思ったこと考えたことが書かれています。ですから客観的な公式・公認の情報ではありません。

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