五井野正 博士ファン倶楽部  浮世絵と印象派を通して学ぶ自然世界

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五井野正博士『ジャポニスムとは、日本主義である。』                        紫式部 源氏 歌留多 第二十五 蛍

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◆ 上記の浮世絵は、源氏物語第二十五帖の蛍の場面です。右側の蛍の光の中に扇子を手に拡げている女性が『玉鬘(たまかずら)』と言う若い女性です。それでその玉鬘の姿を左側でこっそり隠れて玉鬘の美しい姿を見ている人が光源氏であると思います。

◆ 実はこの玉鬘は、前回の葵の上の『物の怪』の説明文の中で述べましたが、第4帳の章で、光源氏の愛人で物の怪に取り殺された女性がいたと思いますが、玉鬘は実は、夕顔と言う物の怪に取り殺された女性の娘なのです。物語では、玉鬘の母親の夕顔が亡くなったのは、玉鬘が4歳の時らしく、母親が亡くなってから乳母の夫の勤め先が九州の筑紫であったので、そちらに移住していたのですが、その乳母の夫が亡くなって、京都に戻ることになったのが20歳の時なのです。

◆ それでその後に光源氏は、このことを知って京都での玉鬘の面倒を、光源氏にとっては、愛人というよりも癒しの女性である『花散里』に相談して、京都で住むことになったのです。そして光源氏は、玉鬘の美しい姿を見てまた恋心を抱いて玉鬘に告白するのです。

◆ それを聞いた玉鬘は、困惑するわけですが・・・光源氏はその頃は『紫の上』と言う継母である藤壺の親戚筋にあたる藤壺と似ている女性とすでに結婚しているにも関わらず、年の差がかなりある玉鬘に恋の告白するわけです。物語の中では、紫の上は光源氏のそのような玉鬘に対する恋心の微妙な動きを察知していたと書かれています。

◆ またそのような状況にありながら、それとは反対に光源氏は、自分の長男である夕霧の友達の柏木や蛍の宮に、玉鬘に恋文の手紙を書かせるのです。そして今回の蛍の件も、実は玉鬘の側で隠れて、暗い夜に光り輝く蛍を放って、その光りの中で、美しい玉鬘を一目見ようと演出したのは、実は光源氏本人なのです。

◆ 光源氏は、自分が告白した玉鬘と蛍の宮の間を取り持つために、二人を結びつけるために、夜に蛍を玉鬘の側で放って、その光の中の美しい玉鬘の姿を蛍の宮に演出して、蛍の宮が玉鬘に夢中になるようにし向けようとしたのです。そして光源氏思惑どおり、蛍の宮は、一瞬その姿を見てさらに玉鬘に熱を上げてしまうことになってしまったのです。

◆ ですから、この浮世絵の場面は、蛍の光の中に扇子を持って佇む玉鬘を見つめているのは、光源氏であるのですが、場合によっては、蛍の宮も玉鬘を見ているのです。そしてこのような状況下の中で、実は玉鬘の父親にあたる頭の中将は、自分の愛人である夕顔に生ませた一人娘の玉鬘の行方を気にかけている状況なのです。

◆ 源氏物語については、現在大変ブームとなって多くの人々が愛読しています。また多くの解説者や入門書がありますので、長編小説ではあるのですが、男女の恋愛模様を描いたものであるので、老若男女共に感情移入をすることが簡単で、その話の内容も現代に通じるものでもあり、その感情表現や微妙な揺れも、このような小説が千年前に、この日本で生み出されていたということは、大変な驚きでもあると思われます。

◆ そのような中で、これまでの教科書的とらえ方ではなく、もともとの仏教的な紫式部自身が天台大師の著作に精通していたということを踏まえると北村季吟が解説していた源氏物語湖月抄の指摘されていることは、大変に興味深い指摘であり、その指摘に対して現在の日本人がだれも掘り下げようとしていないことを不思議に思うのです。

◆ また源氏物語を通して見るのであれば、源氏絵の中にも、北村季吟が指摘したことが流れていると思えるのです。恐らく江戸時代の浮世絵師達もこの源氏物語湖月抄を読み、仏教的な側面を理解した上で、江戸時代の源氏物語絵巻である浮世絵の世界を作ろうとしたのではないでしょうか。( 歌川国貞画 1857年 安政4年 )

 追記

 源氏物語湖月抄には、大変興味深い内容が記述されています。しかしその真偽については、なんとも言えないものです。個人的には、この物語の中には、奥深いものがあると思いますが、その判断は読む人にゆだねたいと思います。

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水と木の精霊の守り人

Author:水と木の精霊の守り人
 浮世絵の中に描かれている宗教・歴史・信仰・民俗学・古典などに深い関心があり、『精霊の守り人』のファンです。また、浮世絵の影響を受けたフランス印象派やジャポニスムに関心を持っています。
( Impressionnistesとは、正しい翻訳では、印象派と訳すのではなく、フランスの浮世絵師と訳すのが正しい翻訳であるそうです )
特に浮世絵の研究者でもあり、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士のファンの一人です。博士の講演の中で、ジャポニスムとは、日本趣味ではなく正しくは、~イズム(ism)とはその人の生き方・精神を顕わして日本趣味ではなく、日本主義と訳すのが正しい翻訳であるそうです。また内部被曝問題に関心があります。日本GAP・アダムスキーやオムネク・オネクに関心を持っています。

◆ このファンサイトの主旨
 
 このファンサイトは、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士の個人的・非公式非公認ファンサイトです。これまで博士の芸術論講座や講演会に筆者が参加して、個人的に主観的に思ったこと考えたことが書かれています。ですから客観的な公式・公認の情報ではありません。

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