五井野正 博士ファン倶楽部  浮世絵と印象派を通して学ぶ自然世界

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五井野正博士『ジャポニスムとは、日本主義である。』              紫式部 源氏歌留多 第九 葵



◆ 上記の浮世絵は、源氏物語第9帖の葵になりますが、この浮世絵もヴィセント・フゥン・ゴッホの400枚に渡る浮世絵コレクションの中の一枚です。ところでこの浮世絵の場面は、光源氏の4歳年上の女房である葵の上が描かれている場面ではないようです。この場面は光源氏の愛人である六条御息所が自分の体全体に着いた芥子の香を一生懸命に洗って落としている処かもしれません。

◆ 実は、この9帖では、光源氏の年上の妻である葵の上は、懐妊していて光源氏の長男『夕霧』を出産するのですが、その時に『物の怪』に憑かれて重い病気となってしまうのです。この『物の怪』によって病気になったり死んでしまうということは、源氏物語の中では度々出てくることなのですが、その物の怪が死霊ということではなく生き霊であるということが、面白い処なのかもしれません。

◆ 源氏物語の中では、大変有名なエピソードなのでいまさらの説明は必要ないかもしれませんが、実はこの光源氏の妻の葵の上に取り憑いた物の怪とは、光源氏の愛人である『六条御息所』の生き霊であったのです。もちろん始めは、御息所が意識的に幽体離脱して、葵の上に自らの意志で取り憑いたわけではありません。

◆ 御息所も、『物の怪』に憑かれて病になるということがあるのかと思っていたのです。ところが光源氏が出産を控えた妻が重い病気となったということで、加持祈祷をして物の怪を除霊しょうと思ったのです。それで祈祷が始まると、段々と物の怪が離れて、葵の上の状態が改善されてきたのですが、どうしても葵の上から離れない物の怪があったのです。

◆ それでさらに祈祷を続けてゆくと、突然妻である葵の上が『祈祷が苦しいので止めてほしい。』と声を発したのですが、その声が妻の葵の上の声ではなくて、六条御息所の声であったのです。光源氏は、その声を聞いて驚いて葵の上の顔や姿を見ると、そこには葵の上ではなく、六条御息所の姿が葵の上に変化して写っていたのです。

◆ 光源氏は、その姿を見て、妻の葵の上に取り憑いていた物の怪の正体が、『六条御息所』の生き霊であると知って、驚愕して驚くのです。まさか自分の妻の出産前に取り憑いた物の怪の正体が自分の愛人の生き霊であったということですから、これには度肝を抜かれて腰が抜けてしまうほどの衝撃であったのてはないでしょうか。

◆ そのようなことで、葵の上の病の原因となった物の怪が、六条御息所の生き霊であったいうことは、御息所本人にも伝わるのです。これは本人にとっては、自分はそのような葵の上を取り殺すというような意識を持ったこともなく、葵の上に対して嫉妬心を持っていたということもないと自分では思っていたのです。

◆ そして自分の生き霊が自分が知らない間に、無意識の内に幽体離脱して、葵の上に取り憑いて、葵の上を取り殺そうとしていたなどそんなことはあり得ないと思っていたのです。ところが自分の髪の毛や体全体から、加持祈祷の時に使われる『芥子』の香がするのです。つまり、自分では、そんなことはしていないと思っていたのですが
現実の自分の髪の毛や体からは、加持祈祷で使われる芥子の香りがこびり付いていたのです。

◆ つまり、自分では葵の上の処に行っていないと思っていたのですが、実は幽体離脱して、六条御息所の生き霊は加持祈祷をしている葵の上の処にいたのです。そしてそこにいたために、加持祈祷の時に使われる芥子の匂いが髪の毛を含めて体全体にこびり付いてしまったのです。

◆ そのようなことで、御息所は自分の体にこびり付いて離れない芥子の匂いを気付いて、自分の知らない間に無意識的に、自分の生き霊が幽体離脱して、葵の上に取り憑いて取り殺そうとしたということに始めて気付くのです。しかし、そのようなことが、宮中の人々に知れ渡ったら大変な恥であり、ましてやその証拠となる芥子の香りを放っていたとなると大変なことになってしまうです。

◆ そのようなことで、体前身にこびり付いた芥子の匂いを取り除かなければならないのです。ですから恐らくこの浮世絵の場面とは、六条御息所が一生懸命に自分の体に着いている芥子の匂いを水でふき取っている場面かもしれません。行水をしているように見えますが、やはり芥子の匂いを落としているのです。

◆ そしてこの六条御息所の生き霊に取り殺される話は、第4帖の夕顔と言う光源氏の愛人も、物の怪に取り殺されることが描かれています。その時にはその物の怪の正体が、六条御息所の生き霊であったということは確定できないのですが、物語の流れからは、そのことを暗示しているのです。愛人の生き霊が本妻を取り殺すという物語です。このような話は、現在の日本でもありそうな話なのです。( 歌川国貞画 1857年 安政4年 )

 追記(源氏物語湖月抄・北村季吟)

◆ この源氏物語の注釈書・解説書として、江戸時代の始めに北村季吟という人が『源氏物語湖月抄』と言う本を著しています。その本の中には、驚くべきことに、紫式部が( 天台宗の僧侶より天台大師の )一心三観を伝えれられたと記述されています。またこの本は、今日の源氏物語の解釈について大きな影響を与えたものとして評価されています。

◆ しかし、湖月抄のその仏教的に解釈されていることに対しては、明治以降の学校教育による洗脳のために、その部分については無視否定されてしまっているような感じを受けます。つまり始めから問題とされていないのです。

◆ たとえば、湖月抄の説明では、源氏物語は、男女恋愛の世界を描くことが目的ではなく、そのような世界を描くことを通して儒教や道教の道へ導き、そして最後には中道実相の世界を悟らせることが目的で作られたと書かれており、世間の常住壊空を顕して、その中に天台大師の化儀・化法の四教を物語の中に顕していると述べられています。

◆ つまり、この源氏物語の基本の底辺には、天台大師の五時八教や化儀化法の四教の教えが、物語の中に組み込まれていて、物語を読むことを通して、天台大師の教えを知らずしてマスターしてゆくというものが、現在の日本人が知らないような智恵の世界が入っている可能性があるということを、この源氏物語湖月抄は示唆しているような気がします。

◆ つまり、始めの段階では、男女恋愛の世界の無法地帯の世界ですが、これは五時八教で述べる処の、内道にも入らない世界です。しかしその過程を通して儒教的な道徳が必要となってくるということが、この源氏物語を読むと少しずつ意識が変化してゆきます。

◆ また光源氏の親子三世代の恋愛の常住壊空の姿を学ぶことを通して、空を学ぶようにもなっており、さらには北村季吟によると、この物語を読むことを通して空化中を学ぶようになっていると説明しています。つまり、この物語の中には、そのようなものが含まれていると説明しているのです。

◆ もしこれが事実であり真実であるのなら、紫式部とは、今まで学校の教科書教育で学んできたような人物ではないということになるでしょう。そして現在の日本人の意識では、紫式部を理解することはまったくの困難となってしまうことでしょう。

◆ そのようなことで、この源氏物語は、単なる娯楽小説ではなくて、天台大師のことを深く学んだ女性が書かれた書物なので、それなりに深いものが隠されているのかもしれません。

◆ そしてそうであるが故に、江戸時代を通して、多くの人々が無意識的に、或いはこの北村季吟の解説書の影響を受けて、多くの日本人が源氏物語の中の男女の恋愛の世界を入り口に、さらに奥深い世界を求めていったのかもしれません。つまり、本当の源氏物語の姿を私たち日本人は何も知らないのかもしれないのです。

◆ また、源氏物語から派生した浮世絵の源氏絵の世界や源氏香の世界も、すべてが源氏物語に相互に繋がり、理解補正してゆくという相互作用があるのであれば、源氏物語の文学や美術や芸術の世界の中にも、始めの紫式部が考えていた天台大師の思想がそれらの作品の中にも流れることになるのではないでしょうか。

◆ これは、あくまでも個人的見解にすぎませんが、源氏絵の世界の中に真実を求めようとするのであれば、源氏物語湖月抄の見解は無視できないのではないでしょうか。現代の日本人は、学校教育の世界観によって、仏教的に解釈されている処は自動的に削除してしまいます。だから反対に源氏物語の真相が見えなくなっているのではないかとどうしても思ってしまうのです。

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水と木の精霊の守り人

Author:水と木の精霊の守り人
 浮世絵の中に描かれている宗教・歴史・信仰・民俗学・古典などに深い関心があり、『精霊の守り人』のファンです。また、浮世絵の影響を受けたフランス印象派やジャポニスムに関心を持っています。
( Impressionnistesとは、正しい翻訳では、印象派と訳すのではなく、フランスの浮世絵師と訳すのが正しい翻訳であるそうです )
特に浮世絵の研究者でもあり、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士のファンの一人です。博士の講演の中で、ジャポニスムとは、日本趣味ではなく正しくは、~イズム(ism)とはその人の生き方・精神を顕わして日本趣味ではなく、日本主義と訳すのが正しい翻訳であるそうです。また内部被曝問題に関心があります。日本GAP・アダムスキーやオムネク・オネクに関心を持っています。

◆ このファンサイトの主旨
 
 このファンサイトは、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士の個人的・非公式非公認ファンサイトです。これまで博士の芸術論講座や講演会に筆者が参加して、個人的に主観的に思ったこと考えたことが書かれています。ですから客観的な公式・公認の情報ではありません。

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