五井野正 博士ファン倶楽部  浮世絵と印象派を通して学ぶ自然世界

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五井野正博士『ジャポニスムとは、日本主義である。』               紫式部 源氏歌留多 第五十一 浮舟

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◆ 上記の浮世絵は、源氏物語第五十一帖の浮舟を描いたものです。そしてこの浮世絵は、ゴッホがコレクションをしていました400枚の浮世絵の中の1枚です。

◆ 浮舟とは、女性の名前なのですが、この浮世絵の世界では、その浮舟を浮舟として描いているようです。もし河を舟で渡る女性が浮舟であれば、共に河を渡っている男性は物語の中から推測すると『匂宮』なのかなと思われます。

◆ 第五十一帖の浮舟の物語とは、ある意味では、浮舟と言う女性を巡る男性二人の三角関係の中で、浮舟が苦悩して、自宅から失踪してしまい入水自殺の可能性を匂わせる物語なのです。浮舟はその後、比叡山横川の僧都によって助けられて、その僧都の元で出家することになるのですが・・・・

◆ この浮舟に好意を寄せる二人の男性とは、前回三十七帖の横笛のところで述べました柏木と言う男性と光源氏の妻でもある女三宮との間に出来た不義の子供である『薫』ともう一人の男性は、その薫の知人でありライバルともなる『匂宮』と言う男性です。

◆ 柏木と女三宮の間に生まれた『薫』は、生まれた時から体からよい香を放っていているのですが、自分の出自に深い疑問を持っているようで、性格が厭世的なキャラクターのようで、その薫は、浮舟に好意を持っていました。そして匂宮は、そんな薫の香に対抗するために、いろいろと化粧をして、香を演出した人であるようで、それで匂宮と呼ばれていたようです。そしてその匂宮も浮舟に好意を持っていました。

◆ そしてある日、浮舟から薫への手紙を童女が運んでくるのを偶然、匂宮が発見したことによって、匂宮は、薫と浮舟の関係が進んでいることを知り、その確認のために、薫の香を装って、宇治にある浮舟の自宅に入り、浮舟と関係を持ってしまうのです。

◆ そしてその後、薫の使いと匂宮の使いが偶然、浮舟の住む宇治で会ってしまったことがきっかけで、浮舟を巡る二人の関係が発覚してしまうことになり、以前から付き合ってきた薫は、浮舟の不誠実に対する手紙を書き送り浮舟は、二人の間に挟まれながら深く苦悩してしまい、失踪して行方不明となってしまうのです。場合によっては入水自殺してしまうかもしれないと・・・・

◆ 浮舟の章は、このような物語なのです。ですから、この舟に乗っている浮舟は、二人の男性によって、今話が同時進行してしまい、この先どうなってしまうのか、内面に深い苦しみと不安を抱えた浮舟の気持ちが少し顕れているような気がしますが、眼の錯覚でしょうか。

◆ 薫は、柏木と女三宮の間に生まれてしまった不義の子供なのですが、本当の父である柏木は、亡くなってしまい、実の母である女三宮は、出家してしまい、本当の真実を知るのは、育ての親である光源氏と出家した母親である女三宮しか、本当の真相は知らない状況の中で、薫は真実を知らされず、自分自身の出生に対して大きな疑問を持ち、厭世観がある人てすが、それはある意味では、性格的にはまじめな性格のような感じをうけます。

◆ しかし、その薫が好意を持った女性である浮舟が、匂宮を巡ってこのような形で、浮舟を苦しめることになり失踪入水自殺の可能性があると感じる時に、このような一連の物語の流れを見つめてゆくと、このような同じ報いとも言える物語がこの源氏物語の中には、様々に表現されていることがわかります。そして源氏物語とは、光源氏だけで主人公ではなく、光源氏の関係した子孫の人々も、同じような問題を顕してゆくのです。

◆ この源氏物語とは、いろいろ調べてゆくと宮中の藤原氏の女性達を対象に書かれていたようです。もちろん紫式部も藤原氏なのですが、問題はそのような社会の中で、紫式部が『源氏物語』を通して何をいったいしょうとしていたのかということなのだと思います。

◆ 藤原氏は宮中の中で、確固とした地位を確立してそれを継続させてゆくために、天皇や帝の妃に、自分の一族の娘や女性を嫁がせて、天皇や帝の側近の関係を維持してゆくことを通して、宮中の中での権力基盤を整備していったと考えられており、そのために藤原氏の女性は重要な役割を担っていたと考えられます。

◆ そしてそのためには、その一族の女性達に対する高度な文化教育が必要であり、そのために、紫式部も同じ一族の漢学者の父を持つ知識人として、その役割を担っていたのかもしれません。

◆ しかし、そのような紫式部が、天台大師などの難解な文献に精通していたとなると、このような藤原氏の支配している宮中の中の女性達に対して何を説こうとしたのか、それは表面的な文字の解読からは理解できないように、物語の中に真意を隠しているような気がしてならないのです。

◆ それは物語の中に真意を隠して、ある意味では物語文学を通して、藤原氏の世界から離脱してゆくことを暗示させていたのかもしれません。源氏物語が書かれた理由や動機を掘り下げて考えてゆく必要性があると思われてなりません。( 歌川国貞画 1857年 安政4年 )

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水と木の精霊の守り人

Author:水と木の精霊の守り人
 浮世絵の中に描かれている宗教・歴史・信仰・民俗学・古典などに深い関心があり、『精霊の守り人』のファンです。また、浮世絵の影響を受けたフランス印象派やジャポニスムに関心を持っています。
( Impressionnistesとは、正しい翻訳では、印象派と訳すのではなく、フランスの浮世絵師と訳すのが正しい翻訳であるそうです )
特に浮世絵の研究者でもあり、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士のファンの一人です。博士の講演の中で、ジャポニスムとは、日本趣味ではなく正しくは、~イズム(ism)とはその人の生き方・精神を顕わして日本趣味ではなく、日本主義と訳すのが正しい翻訳であるそうです。また内部被曝問題に関心があります。日本GAP・アダムスキーやオムネク・オネクに関心を持っています。

◆ このファンサイトの主旨
 
 このファンサイトは、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士の個人的・非公式非公認ファンサイトです。これまで博士の芸術論講座や講演会に筆者が参加して、個人的に主観的に思ったこと考えたことが書かれています。ですから客観的な公式・公認の情報ではありません。

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