五井野正 博士ファン倶楽部  浮世絵と印象派を通して学ぶ自然世界

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五井野正博士『ジャポニスムとは、日本主義である。』               石森章太郎【 龍神沼 】の原点を考察する。

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( 左側 英泉 雲龍打掛の花魁 右側 ヴィセント・ファン・ゴッホ 日本主義・花魁 )  
 
◆ 『龍神沼』とは、漫画家の石森章太郎氏が書かれた作品です。私は確か中学校の時に『漫画家入門』と言う石森先生の本を買って、その中に『龍神沼』という作品が掲載されていました。かなり短い短編の物語ですが、個人的にはかなり印象深く残った作品です。

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( 上記は、漫画家の石森章太郎原作の龍神沼の作品 石森章太郎は、東北出身の漫画家で東北地方に伝わる龍神伝説をテーマとしてこの作品を描いたと思われるが、中央に白蓮華が描かれているので、恐らくゴッホの上記の絵を見て描いたとものと推測できると思う。 )

◆ 簡単に概略を述べると、山奥の村に一人の都会の若者が、その山村に住む親せきの女の子に会いにくるのですが、その若者に、その山村の山奥にある池に住んでいる龍神の若い娘が恋をしてしまホい、彼に近づくのですが、その山村は観光業者による開発が入り、自然破壊が進んでいて、その山村の守り神でもある龍神をないがしろにしてしまうのです。

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(上記は、その龍神沼の龍女の姿を拡大した画像、龍女の着ている白装束の着物の帯のテザインをよく見るとゴッホの描いている雲龍打掛の花魁の着物のデザインである渦巻きの紋様をそのまま描いていることがわかる。そのことからも石森章太郎は、このゴッホの作品を見て龍神沼を描いたと裏付けが取れると思われてならないのです。)

◆ それでその開発業者に対して、その龍神の娘が怒り、その開発業者を自然の雷によって殺してしまうようにするのですが、その若者によって『君が人を殺すなんてだめだ。』と諭されて、その怒りを沈めて消えてしまうという物語なのですが、これは日本に古くから伝わる龍神信仰を描いたものかなと思います。

◆  このような日本の龍神信仰は、特に泉鏡花の『夜叉が池』『天守物語』の中にも描かれており、その主人公は、龍神というよりも、性格的に気性の強い美しい龍女の姿で描かれており、その舞台は湖水や池の世界となっています。

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( 上記は、泉鏡花の戯曲である夜叉ヶ池の作品を映画化したもの。主演は歌舞伎役者の坂東玉三郎氏。泉鏡花は、福井県出身で、地元に昔から伝わる龍神伝説を収集して戯曲として描いた。)

◆ 私はこのような龍神信仰は、日本人の古い古層の意識にある世界であり、それは日本人の自然信仰、水霊信仰となっていると思います。たとえば、このようなテーマは今昔物語の中にも描かれており、浮世絵の世界であれば『観音霊験記』の中にも描かれています。

◆ たとえば、観音霊験記の西国三井寺には、唐国の僧侶である威光上人が般若心経を書写していると美しい女性が度々訪れるようになり、そのうち、その女性がお寺の清浄水の滝のふもとから顕われて上人のもとに来ることに気づいてくるのです。

◆ そしてある日、その女性は、自分は龍女であり、上人の法徳を永代に渡って信仰せんがために、寺の寺宝として法螺貝や如意香炉そして桜の木などを残して去ったという龍女の霊験を観音霊験記の浮世絵の世界の中に描いています。

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( 上記は、観音霊験記・西国三井寺の浮世絵で、法螺貝を持つ龍女が描かれている。 )

◆ 他にも龍神龍女をテーマとした物語の浮世絵が数多くあると思いますが、昔から日本人の心像風景の元型の中には龍神に対する信仰が記憶として残されているのだと思えてなりません。

◆ たとえば、そのようなことを日本から来た浮世絵の世界に感じて、浮世絵の底に沈んでいる日本人の龍神信仰を具体的に絵画として表現した人が、後期印象派の画家であるヴィセント・ファン・ゴッホであると思います。

◆ 五井野正博士がその藝術論の中で指摘されていることですが、ゴッホはジャポニズムの絵画として、湖水の浮かぶ龍女の絵を描いており、ゴッホは、その龍女を日本という国のシンボルのように感じているのです。

◆ 五井野正博士の以前の御講演の中では、すでに19世紀のヨーロッパの印象派絵画運動の中には、北斎などの浮世絵を通して日本の仏教が流れ法華経信仰が流れていたと述べられていました。上記のゴッホの絵の中は、龍女成仏を顕しているそうです。

◆ 私はこのお話を聞いて大変驚くと同時に、印象派の画家の本当の姿とはなんなのだろうと思いました。
 
◆ このように少しでも考えてゆくと、日本の龍神信仰や日本の古層に沈んでいる元型は、ヨーロッパのキリスト教文化圏の画家であっても、感性のもっとも鋭いゴッホのような藝術家は、日本という国の中に何がいっつたい沈んでいるのか、鋭く感知して表現する力があるのかもしれません。

◆ そのようなことで龍神沼の元型の龍女のイメージは、ゴッホのジャポニズムの絵画の世界にも顕わされて、日本の国土の姿を顕わしていると思えてならないのです。

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( 上記は、ゴッホが描いた雲龍打掛の花魁の原画にあたる英泉の大黒屋錦木の花魁の浮世絵です。また下段の浮世絵は、歌川芳虎の花魁です。こちらの花魁も龍の衣の着物を着ています。 )

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水と木の精霊の守り人

Author:水と木の精霊の守り人
 浮世絵の中に描かれている宗教・歴史・信仰・民俗学・古典などに深い関心があり、『精霊の守り人』のファンです。また、浮世絵の影響を受けたフランス印象派やジャポニスムに関心を持っています。
( Impressionnistesとは、正しい翻訳では、印象派と訳すのではなく、フランスの浮世絵師と訳すのが正しい翻訳であるそうです )
特に浮世絵の研究者でもあり、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士のファンの一人です。博士の講演の中で、ジャポニスムとは、日本趣味ではなく正しくは、~イズム(ism)とはその人の生き方・精神を顕わして日本趣味ではなく、日本主義と訳すのが正しい翻訳であるそうです。また内部被曝問題に関心があります。日本GAP・アダムスキーやオムネク・オネクに関心を持っています。

◆ このファンサイトの主旨
 
 このファンサイトは、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士の個人的・非公式非公認ファンサイトです。これまで博士の芸術論講座や講演会に筆者が参加して、個人的に主観的に思ったこと考えたことが書かれています。ですから客観的な公式・公認の情報ではありません。

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