五井野正 博士ファン倶楽部  浮世絵と印象派を通して学ぶ自然世界

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五井野正博士『ザ・フナイ8月号』を読んで                              ロシア科学アカデミーを知る・映画『おろしや国酔夢譚』

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(上記は、椎名誠の『おろしや国酔夢譚』のシベリア紀行の動画です。)

◆ 天明2年(1782年)、伊勢を出発し、光太夫ら17人を乗せた船「神昌丸」は、江戸へ向かう途中に嵐に遭い、舵を失って漂流中に1人を失いながらも、8か月の漂流後に当時はロシア帝国の属領だったアムチトカ島に漂着した。この島で7人の仲間が次々と死んでいくが、残った9人は現地のロシア人の言葉やアムチトカ原住民の言葉を習得しながら帰国の道を模索する。漂着から4年後、現地のロシア人たちと協力し流木や壊れた船の古材を集めて船をつくり、カムチャッカ半島のニジネカムチャック(Nizhne-Kamchatsk)へ向かう。だがここで待っていたのは島とは比較にならない厳しい冬将軍で、さらに3人を失うのであった。

残った6人は、現地政庁の役人たちと共にオホーツクからヤクーツク経由でレナ川沿いにイルクーツクへと向かうが、1人が重い凍傷で片足を失ったため帰国が不可能と悟りロシアに帰化する。また、さらに1人が病死する。この地の政庁に帰国願いを出しても届かないことに業を煮やした光太夫は、当地に住んでいたスウェーデン系フィンランド人の博物学者キリル・ラックスマンの助けを借りて、ラックスマンと共に(漂流民としては一人で)、女帝エカチェリーナ2世に帰国願いを出すために、ロシアの西の端の帝都ペテルブルグへ向かった。数か月後、夏の宮殿でいよいよ女帝への謁見が決定したが……。 ( ウィキペディアより )

◆ ザ・フナイ8月号の五井野正博士寄稿文㌻150に、大黒屋光太夫の話がありました。大黒屋光太夫は、ロシアを漂流して、1791年にロシアのヨーロッパ側の窓口であるサンクトペテルブルグまで行き、エカテリーナ2世の会い、日本に帰国する許可を得たと書かれていますが、このエカテリーナ2世は、サンクトペテルブルグにあるエルミタージュ美術館を作った人であり、またロシア科学アカデミーは1725年にピョートル大帝によって創設されています。

◆ 実は、日本映画で、この大黒屋光太夫のロシア漂流紀行を映画化したものがあり、それが『おろしや国酔夢譚』です。私は相当以前にDVDを借りてみたのですが、実はこの映画の中でロシア科学アカデミーの学者で、大黒屋光太夫を日本の帰国させることに協力してくれる科学アカデミーの学者がいるのですが、その人が『オーレグ・ヤンコフスキー』というロシアの俳優なのです。映画の中では、ロシア科学アカデミーの博物学者キリル・ラックスマンを演じています。

◆ 実はこの人は、ロシアのジャポニスムの映画作家であるタルコフスキーの映画作品に数多く出演している人なので、そんなことがあって密かに借りて見ていたのです。ヤクコフスキーはいつもロシアの知識人・インテリゲンチャーの役をしています。私はこの人がとても気に入っています。

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(上記ポスターの一番右側の男性が、ロシア科学アカデミーの学者を演じるロシアの俳優のオレグ・ヤンコフスキー氏。ヤンコフスキー氏は、タルコフスキーの映画『ノスタルジア』の中で、主人公であるロシアの学者・ゴルチャコロフを演じています。)

◆ さて私がこの映画を見て印象に残って驚いたことは、この映画の中で、このヤンコフスキーが演じる『ロシア科学アカデミー』のすごさなのです。映画を見るとわかりますが、ロシア科学アカデミーは、17世紀には、日本研究を始めており、そのための日本語学校を持っていたということと日本に対する情報収集を始めていたということです。

◆ そして大黒屋光太夫などの漂流民に対して、ロシアの日本語学校で教師をしてほしいとお願いしていることです。映画の世界ですから、どこまで本当のことはわかりませんが、おそらく光太夫の記録が残っていますから事実なのではないでしょうか。

◆ 私はこの映画を見て、映画とは言えロシア科学アカデミーという処は、すでに17世紀に日本研究を始めているということは、すごいことだと単純に捉えてしまいましたが、私はロシア人の日本研究には、深い歴史的蓄積があるように思えました。日本人はあまりロシア研究をしませんが、ロシア人はそうではないことがこの映画を見てよくわかります。特にロシア人の郷土・自然観は、日本人の自然観と大変似ています。そこに共通的な自然に対する理解や感性があるということが、よくわかります。

◆ そのようなことで、この映画は一度見ていただく方が、ロシア科学アカデミーの凄さが、映画の世界でも、何故か伝わってくるのです。え、17世紀にロシア科学アカデミーが日本語研究や日本文化研究を始めていた。その時に日本人は反対にロシア研究を始めていたのだろうか。この科学的に調査研究するという姿勢には驚くべきものがあると思います。

◆ 以前博士の講演の中で、ロシアはアーリア人の国であると述べていましたが、それはキリスト教文化圏であっても、ロシアは東方正教会であって、西欧のキリスト教倫理社会特にカトリック教とは、体質が違うので、科学アカデミーに対するキリスト教倫理による弾圧が少なかったのではないでしょうか。

◆ 私はロシアにおける科学アカデミーの姿や歴史を見る時に、ロシア正教がロシアの科学アカデミーに対してどのような対応をされてきたのか、少し関心があるのです。つまり初期のロシアにおける科学と宗教がどのような関係にあったのかということです。17世紀といえば、西欧では、まだカトリックやプロテスタント教会が力を持っていて、科学に対して弾圧していた時代ではないかと思います。恐らくロシアではそのようなことが少なかったのではないでしょうか。そんなことを映画を見て考えていました。

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水と木の精霊の守り人

Author:水と木の精霊の守り人
 浮世絵の中に描かれている宗教・歴史・信仰・民俗学・古典などに深い関心があり、『精霊の守り人』のファンです。また、浮世絵の影響を受けたフランス印象派やジャポニスムに関心を持っています。
( Impressionnistesとは、正しい翻訳では、印象派と訳すのではなく、フランスの浮世絵師と訳すのが正しい翻訳であるそうです )
特に浮世絵の研究者でもあり、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士のファンの一人です。博士の講演の中で、ジャポニスムとは、日本趣味ではなく正しくは、~イズム(ism)とはその人の生き方・精神を顕わして日本趣味ではなく、日本主義と訳すのが正しい翻訳であるそうです。また内部被曝問題に関心があります。日本GAP・アダムスキーやオムネク・オネクに関心を持っています。

◆ このファンサイトの主旨
 
 このファンサイトは、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士の個人的・非公式非公認ファンサイトです。これまで博士の芸術論講座や講演会に筆者が参加して、個人的に主観的に思ったこと考えたことが書かれています。ですから客観的な公式・公認の情報ではありません。

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