五井野正 博士ファン倶楽部  浮世絵と印象派を通して学ぶ自然世界

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五井野正博士『ジャポニスムとは、日本主義である。』                                     役者東海道  草津駅  鬼若丸 

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 ◆ この浮世絵は、源義経の相棒である武蔵坊弁慶の稚児名が『鬼若丸』であり、右手に持つ大きな刀は、逸話にあるように、比叡山横川の池に生息する人に危害を加える2、5㍍の巨大な鯉の怪魚を退治するために鬼若丸が持っていた武器である。浮世絵では、国芳の巨大な鯉の怪魚と戦っている鬼若丸の絵が多いと思いと思います。

 ◆ ちなみに鬼若丸の着ている上着には、赤鬼・青鬼の顔が描かれているのがわかる。鬼若丸は、母親の胎内に18ヶ月にいて、生まれた時には、髪の毛や歯が生えそろっていたということで、怪異な子供であったために、鬼若丸と名付けられたようである。

 ◆ さて、この鬼若丸の顔を見ていただきたい。目尻にかけて、薄い隈が描かれている。歌舞伎絵の中ではその役者のキャラクターが持つ強い神懸かり的な力を顕すために、顔の目尻にかけて隈のデザインが描かれている。

 ◆ そのようなことで、この鬼若丸という稚児の顔の中にも、その隈が描かれているということは、この稚児が稚児であっても、普通以上の怪力や精神的力を持っている稚児であるということを目尻の隈の表現で顕しているのである。しかし、さすがに稚児であるので、それほど強い隈の表現となっているわけではない。
 
 ◆しかしこの役者絵の中の顔の隈の表現は、市川団十郎の成田山不動明王の信仰から来歴していることは、成田山不動明王の浮世絵の中で述べましたが、この顔の隈の中に表現されている不動明王の悪を調伏する精神力や力は、善悪に分かれて、役者絵の中の顔の隈の表現の中に反復して顕されてゆくのです。

 ◆ つまり江戸歌舞伎の中心である『荒事』の世界を継承して描かれる歌舞伎絵の隈の表現の世界の中に、成田山不動明王の信仰が実は隠されているのです。ですから、この鬼若丸の稚児も、この顔の隈の表現から、その力が伝わってきます。もちろん口元の表現もありますが。

 ◆ そのようなことで、私たちは浮世絵や歌舞伎絵の世界と言うと、学校教育の影響でその中に顕されている宗教的要素を意図的に削除するように思考が働いてしまうのですが、このような荒事の中に顕されている不動明王の信仰を知るのであれば、実は浮世絵の歌舞伎の役者絵の世界の中に、荒事を通して不動明王に対する信仰が形を変えて残されていることに気付いてきます。

 ◆ その意味では、浮世絵とは、風俗画ではなく、実は宗教画の性質を持っているのです。しかし、学校教育の感性の世界では、その宗教的要素を意図的に、無意識的に削除してしまうのです。
                         ( 三代 歌川豊国 1852年 嘉永5年 )

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水と木の精霊の守り人

Author:水と木の精霊の守り人
 浮世絵の中に描かれている宗教・歴史・信仰・民俗学・古典などに深い関心があり、『精霊の守り人』のファンです。また、浮世絵の影響を受けたフランス印象派やジャポニスムに関心を持っています。
( Impressionnistesとは、正しい翻訳では、印象派と訳すのではなく、フランスの浮世絵師と訳すのが正しい翻訳であるそうです )
特に浮世絵の研究者でもあり、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士のファンの一人です。博士の講演の中で、ジャポニスムとは、日本趣味ではなく正しくは、~イズム(ism)とはその人の生き方・精神を顕わして日本趣味ではなく、日本主義と訳すのが正しい翻訳であるそうです。また内部被曝問題に関心があります。日本GAP・アダムスキーやオムネク・オネクに関心を持っています。

◆ このファンサイトの主旨
 
 このファンサイトは、ロシア国立芸術アカデミー名誉会員の五井野正博士の個人的・非公式非公認ファンサイトです。これまで博士の芸術論講座や講演会に筆者が参加して、個人的に主観的に思ったこと考えたことが書かれています。ですから客観的な公式・公認の情報ではありません。

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